57 / 611
恋してせんぱい-7
「今から俺んちで勉強教えてやる」
「えっ……鐘ヶ江先輩の家……ですか? あの、でも、トキ先輩は……?」
「……トキにも来てほしいのかよ」
「っ……ちが、違います……ほんとは……ふ、二人きりがいい、です……ハイ」
「……本条、かわい」
鐘ヶ江の自宅は学校から徒歩圏内にあった。
両親は共働きで留守が多く、ダンス教室に通っている妹の帰りは夜九時を過ぎる。
マンションの上階、日は落ちかけて、窓一面に滲む茜色。
「鐘ヶ江先輩っ……あの、勉強、教えてくれるんじゃ……っ?」
部屋に案内されるなりベッドに押し倒され、いきなり制服ズボンを脱がしにかかってきた鐘ヶ江に本条は顔面隅々まで真っ赤にした。
一切手を休めずに鐘ヶ江は涼しげに言う。
「お前には数式や古典よりも先に性的な学習が必要だと思うんだよな」
思わず絶句した本条から下の服が速やかに蔑ろにされた。
「あ」
汚れた下着の感触は不快だった、そのはずが。
妙な刺激を浴び続けて弾けるように飛び出た性器。
恥ずかしい本条が咄嗟に片手で隠そうとすれば、反射神経に優れたバスケ部副主将、か細い両手首をシーツに素早く縫い止めた。
「せ、先輩……」
「図書館で一度いかせてやったから。敏感になってるっぽいな」
「や……やです……見ないで……」
図書館で腕を掴まれたときよりも加減された力でベッドに組み伏せられた本条はもどかしそうに身悶えた。
眼鏡の下でじんわり涙目になって、内股になって、真上に迫る鐘ヶ江から精一杯顔を逸らしている。
下半身には靴下しか身につけていない、上半身は制服をきちんと着たままの下級生に覆いかぶさっていた鐘ヶ江は、不意に呼んだ。
「真貴」
え?
「ちゃんと俺のこと見ろ」
あ。
そうだったんだ。
鐘ヶ江先輩はいつだって僕の視線を待ってくれてたんだ……。
「じゃあ、次は後ろから、な?」
一回目が済んだばかりでまだ呼吸も落ち着いていなかった本条は耳を疑った。
次の瞬間、ぐるりと目まぐるしく動いた視界。
華奢な体がうつ伏せにされて、脱力しがちな腰を持ち上げられて。
一度絶頂を迎えても尚、熱く硬いままの鐘ヶ江のソレが再びナカへ突き進んでこようと……。
「あっあっ、やめ……っやだ……っこれやだ、せんぱぃ……っ」
まだ奥へは至らずに入口を塞いだ程度で頻りに嫌がる本条に、制服ズボンを緩めただけの鐘ヶ江は、苦笑した。
「後ろから、まだ怖いか?」
鐘ヶ江の問いかけに素直にコクコク頷いて、ちらっ……と背後に居座る鐘ヶ江を本条は伏し目がちに見つめてきた。
「これ……先輩の顔が見えない……です」
「……そんなに俺の顔見ながらいきてぇわけか」
「ッそ、そんなつもりじゃ、っ、わわ……っ? あ、せんぱぃぃ……っゃ……っあ、あ、きちゃぅ……またきちゃ……っ!」
改めて鐘ヶ江に突き上げられて仰向けにされた本条はきゅっとシーツを握りしめた。
華奢な本条の窮屈なソコを鐘ヶ江の逞しく膨れ上がったソレが限界近くまで押し拡げる。
つい先ほど解放したばかりの白濁雫がぬるぬると纏わりついて、もっと奥へ、深いところを念入りに休みなく擦り上げられる。
「ぁっぁぁ……っゃっゃ……っ、せんぱぃっ……せんぱぁ……っ!!」
「ッ……名前、呼んでみろ、真貴」
「っ……っ……!!」
唇だけは動かしたが声にするのはまだまだ恥ずかしいようで。
そんな本条に鐘ヶ江の欲はもう止まらない。
「ぁっ……せんぱぃっ……っ、ふぁぁ……ン……っ」
すっかり暗くなった部屋で全身汗ばんで甘い声を喉元に詰まらせている下級生にタガが外れそうになる……。
気づいてねぇみたいだけど。
俺はお前より恋してる、多分な。
end
ともだちにシェアしよう!