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おやばかエクスタシー-7

しかしながら授業参観での雄介の振舞には大人な岬でもさすがにむっとした。 最近はぱったり止まっているが風俗にも通っていたチャラパパ。 まだまだ若い、現役ど真ん中だ、見た目もそんなに悪くない、中身は置いておいて。 「たらいま~岬ぉ~」 週末、そんな雄介が酔っ払って帰ってきた。 時刻は零時前、部屋で勉強していた岬が出迎えてやれば覚束ない足取りでソファにばたんきゅー。 「ゆー君、風邪引くよ」 ソファにうつ伏せてむにゃむにゃしている雄介を覗き込んで、岬は、その澄んだ聡明な眼を意味深に細めた。 酒やタバコの他に香水の残り香をこれでもかと纏った父親。 うん、わかってる。 今日はスケベ上司や同僚数人と飲みに行くって言ってた、スケベ上司といっしょのときは二次会がキャバクラになるって。 「むにゃ……」 ごろんと雄介が寝返りを打った。 あほみたいな顔をして、アルコールで全身を火照らせて、首筋までほんのり赤く染まっていた。 「岬ぉ~ちゃんと宿題した~?」 「したよ」 「岬ぉ~歯ぁ磨いた~?」 「磨いたよ」 「よっし! それでこそ俺の自慢の息子ッ」 「ゆー君、飲み過ぎたね」 仕事の付き合いで放置されるのは仕方ないこと。 ずっと前から頻繁にあった、もう慣れっこだ、今さら拗ねたりなんかしない。 しないけど。 むかむかする。 ゆー君、おれのことちゃんと見てる? おれといるより、お酒を飲んだり、キャバクラにいる方が楽しい? ソファに埋もれてむにゃむにゃしている雄介に岬はキスした。 唇を伝って流れ込んでくるハイボールの余韻。 自分にとってはまだまだ遠い夜の世界を雄介の体越しに漠然と感じ取る。 微熱のこもっていた口内にゆっくり舌を滑り込ませる。 くちゅ……くちゅ…… 「……っ……ン……?」 ぼんやりしていた雄介は岬にキスされていることにワンテンポ遅れて気が付くと。 自分より華奢な我が子に気持ちよさそうに自らも擦り寄った。 まだランドセルの重みくらいしか知らないだろうと甘く見ている背中に両手を回し、パジャマにパーカーを羽織っていた岬の温もりを腕いっぱいに感じ取る。 爽やかなシャンプーの香りを思う存分吸い込む。 ちゅっちゅっ……くちゅっ…… はぁ、またキスうまくなってんな、岬の奴。 まさかどっかで練習してんのか? 「岬、お前、もしかして誰かとキスしてる?」 「……なにそれ?」 「だってうまいんだもん」 「……したけど、別に付き合ってないけど」 「うぉ、やっぱり、誰誰? まさかモデルになりたいですって言ってたクラスのコ?」 「……あんまり話したくない、もう俺寝るから」 「えー」 岬の背中に回した両手を解かずに、雄介は、自分の腕の輪の中に岬を引き留めた。 「明日休みじゃん、まだいーだろ」 「ゆー君、くさい」 「うわ、ひど。なー、岬?」 「なに」 「もっとして」 二人分の唾液でやらしく濡れた唇で強請られて。 寝るつもりなんて微塵もなかった岬は甘えてくる雄介の言う通りにした。

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