43 / 132

とらいあんぐるふぁみりー-10

小学校六年生になった雛汰。 「お父さん……」 最近、会社近くのホテルに泊まり込むことも度々ある紅史郎が家にいた深夜のことだった。 「もしかしたら……アレかも……」 片づけられた寝室の片隅、ワイシャツにネクタイ姿で持ち帰った仕事に目を通していた紅史郎は未練なく作業を中断した。 回転イスの向きを変えてお膝の上に雛汰を招くと。 パジャマ姿で眠たげで、でも頬を火照らせてぽかぽかしている我が子の顔を覗き込んだ。 「眠ってたんだけど……さっき起きて、そしたら……ここが……」 柔らかなパジャマ生地を控え目に押し上げている……股間の熱。 小さな手がもぞ、もぞ、たどたどしく触れる。 「これって……勃起……だよね?」 生理現象を迎えたら必ず自分に伝えるよう雛汰に常日頃言い聞かせていた紅史郎。 今日、家にいてよかったと心の底から安堵し、膝上で火照っている雛汰に自身の胸底も熱くさせて。 「……あ」 我が子の手をすっぽり覆う父親の大きな手。 下半身に迎えた異変を優しく確認してみる。 「ン……おとうさ……」 「本当に初めてかい、雛汰」 「……初めてだもん……む、夢精だって……したことなかったし……友達はしたって言ってたけど……え、あ、お父さん……っ?」 パジャマズボンどころかぱんつまで一緒に脱がされて雛汰はどきっとした。 床にぱさりと落とされた服。 デスクライトの明かりに照らし出された……むくりと天辺を擡げた……まだ幼い性器。 しかもつるすべな下腹部。 「雛汰、まだこんなにまっさらな肌なのに勃起したんだね」 紅史郎のそんな台詞に、雛汰は、自分の体はバランスがとれていないのかと不安になってじわっと涙目になった。 「……毛が生えてないのに勃起って……変?」 紅史郎は心細そうにぷるぷる震えている雛汰の幼茎を安心させるように掌でゆっくり抱きしめた。 「んっ痛ぃっ」 下半身をすっぽんぽんにされた雛汰はちっちゃな悲鳴を上げた。 すると紅史郎は潤滑剤代わりとして、デスク端に置いていたハンドクリームを片手に馴染ませた。 クリームでしっとりした掌で幼茎を再びゆっくり握りしめる。 余りを分けるように、表面に馴染ませるように、緩々と掌を上下させる。 「ひゃ……っ……っ」 「まだ痛いかい、雛汰」 「んっ……さっきよりは痛くないけど、でも……」 「でも?」 クチュ、クチュ、紅史郎にクリームをすり込まれる度に柔らかなお腹を発熱させてワイシャツに顔を埋めた雛汰は……か細い声で続けた。 「おちんちんムズムズしちゃぅ……」 危うく鼻から出血しそうになった紅史郎だが父親の威厳を寸でのところで死守した。 一度深呼吸し、気分を落ち着かせ、愛撫をゆっくり繰り返す。 我が子に精通を導いてやろうと。 自慰のやり方を教えてやろうと。 「あ……あん……あん……」 「こういう風に手を動かしてしごいてやると……ココでつくられた精液がココから飛び出してくる」 ぷるんぷるんなタマタマをそっと撫で、次に、皮にすっぽり包まった先っちょを、そっと。 「ん……っほんと、でそぉ……」 「精液が?飛び出してきそう?」 「あふ……おちんちんから……精液飛び出しちゃぅ……」 お尻がぞくぞくするような感覚に雛汰はきゅぅぅっと唇を噛んだ。 背筋を反らして切なげに眉根を寄せ、紅史郎にしがみつく。 緩く開かれた太腿を頻りにブルブルさせる。 「あ、ふ、ぁ、ぁ……もぉ、精液きちゃ……っ、ッ、んんんんんっっっ」 ぎゅうっと握りしめた父親のワイシャツに深い皺を刻んで、雛汰は、精通を迎えた。 小さな体を満遍なく紅潮させて昂揚した幼茎から精液を弾き飛ばした。 「っっ~~……っ……ふぁぁ……」 初めての射精に体力消耗した雛汰は紅史郎の胸に力なくこてっともたれてきた。 「お父さん、教えてくれて……ありがとぉ……」 紅史郎は雛汰の額に優しいキスを一つ落とし、明日は赤飯を用意しなければと柄にもなく浮き足立つのだった。 「雛ニィ」 「雛にぃ!」 小学校時代は雛汰より背が低くてお兄ちゃんの後ばかりついて回っていた弟双子の旭と陽。 中学に進むと二人とも身長が一気にグンと伸びた。 高一で165センチの雛汰をあっという間に抜いて170センチに、紅史郎への反抗心の現れで髪も派手に染め、随分と垢抜けた容姿になった。 「旭くん、陽くん」 中高一貫性の同じ学校に通うお兄ちゃん雛汰を見つければ駆け足で一目散にやってくるところは小学生の頃と変わっていなかったが。 急激な体の成長に伴って、当然、二人のアレも育ったわけで。 「雛ニィ、あのさ……」 「なんかムズムズするぅ」 さすが双子、同じタイミングで下半身に異変を来たして夜中にモジモジしながら雛汰の部屋へやってきた。 紅史郎のいない夜だった。 「ひ、雛ニィ?」 「ええええっ!」 「こうやってね……? 指の輪っかでおちんちんのこと……優しくね? 撫でてあげるんだよ……?」 ベッドに腰掛けた雛汰は自分自身を練習台にして双子に自慰のレクチャーをしてやる。 緩く開かれた両足の狭間に大胆に差し込まれた利き手。 パジャマと下着はずり下ろされて。 一定の速度で掌が上下している内にどんどん硬くなっていった熱源。 目立たない喉仏辺りで時に「ン」と甘ったるい声を詰まらせ、ジンジンと疼く腹底に切なそうに眉根を寄せて。 床に座り込んだ旭と陽は釘付けだ。 ぽかーんな口からは今にもヨダレが溢れ出しそうな。 「な、なんか濡れてきた?」 「おしっこ!?」 「ン、違うの……これはカウパーで……気持ちいいと出てくるものなんだよ」 「「ほえー!」」 お兄ちゃん雛汰が自分たちのために健気に一人えっちを頑張る姿に二人の股間は、もう、パンパンで。 「あ……ん……もうすぐ、出る、から……っ先っぽから、射精、す、る、から……っん……はぁ……っっ」 雛汰は背中をぶるりと波打たせて射精した。 もう片方の手に用意していたティッシュへ白濁飛沫をぶちまけた。 「「あ」」 そんなお兄ちゃん雛汰が達するのとほぼ同時に……ご立派に精通した弟双子なのだった。 *** 「露天風呂がある」 紅史郎が久し振りに休暇をとり、五月の連休、避暑地にある貸別荘に泊まりにきた雛汰。 「星空を見ながらゆっくり二人きりで浸かって愉しもう、雛汰」 雰囲気のある檜風呂を前にしてはしゃぐ雛汰をさり気なく抱き寄せて微笑む紅史郎。 「星空とかダサ、バーベキューしてぇ」 「夜はいっぱい花火しよーよ、雛にぃ!」 紅史郎から雛汰を引き離そうと企む旭と陽。 そんな家族に雛汰は笑顔満開で提案する。 「せっかくだし家族四人でお風呂に入りながらバーベキューして花火して星空見よう?」 (((それはさすがに危ないだろ)))

ともだちにシェアしよう!