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にいちがに、ににんがし、にいちゃん詐欺グループ主犯格でおとうとダメエロDK、クソワロタwww/兄×弟

「にいちゃん」 オートロックであるマンション植え込み前で弟の架尹斗(かいと)(19)がアホアホ某私立の制服姿で座り込んでいた。 咥えタバコでやってきた兄の(まさる)(28)を見上げ、悪びれるでもなく申し訳なさそうにするでもなく、言う。 「女に追い出されたからちょっとしばらく泊めてくんない」 ちょっと、しばらく、一体どっちだバカが。 克と架尹斗は種違いの兄弟。 克は実の父親を写メでしか見たことがない、高校生の彼女が身ごもったと知るなり、ソイツは姿を消したという、まぁいわゆるアレだ、どこぞの馬の骨。 克を生んだ母親が息子と生活のために選んだ職はキャバ嬢。 そこで巡り会った一生に一度の旦那様。 旦那様は不動産経営者、趣味はゴルフ、色黒で、ベンツがお好き、たまにこっそり脱税するのがお得意。 旦那様との間に架尹斗を授かり、さぁもっともっとバラ色幸せハッピーな人生を築こうとしていた矢先に、兄弟の母親は事故で他界。 そうして悲しみに明け暮れた旦那様は次のスタートを踏み出すために新しい嫁(22)を迎えた。 他人ばかりの家族に何の未練もなかった克は早々と家を出た。 「にいちゃん」 まぁ、弟の架尹斗とは半分血が繋がっていたが。 「相手の方はですね、示談金三百万出すなら訴訟なしで和解もありだと仰っているんです、警察沙汰にしないでね、これは奇跡的なくらいの最善策だと思いますよ、死亡には至らなかったものの轢き逃げを起こした息子さんに一生涯前科者のレッテルが付き纏った場合の、多くの損失をお考えになれば、妥当、むしろ安いですよ、おかあさま?」 弁護士役の男がミネラルウォーターのペットボトル片手に携帯でぺらぺらぺらぺら。 そこは十一階建て雑居ビルの八階にあるオフィス。 紫煙が立ち込めるフロア中央には複数のデスク、灰皿には吸殻が山盛り、ブラインドが締め切られた窓ガラスや壁はヤニで黄ばんでいる。 全国股にかけて犯罪行動に日々勤しんでいる詐欺グループの拠点。 とは言っても現在いるのは男三人だけ。 うち二人は弁護士役が熱弁している傍らで雑談中だった。 「マサさん、弟、いるんですか」 「まぁな。高校生」 「わっけぇ」 「つっても一回留年したからな、一九だわ」 「それでもわけーです」 「これがヤリチンでよ」 「わぁ」 「父親が嫌いだからって、女のダチんち転々としてたらしいんだが、一人に携帯盗み見られたらしくてな」 「ありゃー」 「女の名前がずらーってあるならまだしも、名前じゃねぇ、フェラ専用、中出し専用、パイズリ専用、ときた」 「あはは、ひでぇ」 「見つけた女が他の女に教えまくって、結果、全員からシカトだと」 「示談金はレターパックでも構いませんので、今から言う私設私書箱に送っていただけますか、早急に」 「パイズリいいですね」 「女よりお金がいい、俺は」 何よりもお金お金お金お金だーいすきな克、その日も一日詐欺活動に身を費やした。 そうして中華料理店でラーメンを食い、今夜用のタバコを一つ買い、くわえタバコで帰宅してみれば。 「えっ! だれ!?」 クソ弟の架尹斗が制服を身に着けたJKをマンションに連れ込んでいた、まぁ、その制服はほとんど脱げかけて大人びたパンツが丸見え状態だったが。 「架尹斗、てめぇ、俺がこの間言ったこともう忘れたのか?」 パンツ丸見え状態のJKを叩き出した克は相変わらず悪びれるでもなく申し訳なさそうにするでもない弟に言う。 「俺のベッドを見ず知らずの女の体液で汚すんじゃねぇよ」 「ベッドじゃないし、ソファだし」

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