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にいちがに、ににんがし、にいちゃん詐欺グループ主犯格でおとうとダメエロDK、クソワロタwww-5
やっぱり殴って追い返すべきだった。
「あっあんっそこがいい……っアキラくん……っ」
「架尹斗、えろ、おにーさんに聞かれて倍感じてんの?」
「ちが……っぁっぁっぁっ」
どこまで脳みそ腐れば気が済むんだ、あのクズ弟は。
さすが豚未満な兄を持ったクソガキだよ、クソが。
兄は今日もタワーマンションへ詐欺活動をしに。
種違いの弟は学校へお勉強に、その日はお利口におうちへ帰宅して。
アキラくんはと言うと。
「こんばんは」
「誰だお前」
「昨日、架尹斗と来ました」
「知らねぇな」
「おにーさんって、詐欺やってる人でしょ?」
「……」
「俺、ガッコ中退して、そーいう仕事したいと思ってて。俺のこと雇ってくんないですか」
類じゃねぇな、上級を呼びやがった、あのクズ。
「ついてくんなよ」
「金儲け、好きなんです」
ああ、そこだけは共感できるな、お金は万国共通素晴らしいからな。
「金って裏切らないし」
「そうだな」
「ないと何も始まらないし」
「まぁな」
「水の次に大事だと思うし」
「水より大事だと俺は思うがな」
オートロックを解除して部屋に向かう克の背後でお金の素晴らしさを謳うアキラくん。
耳にはピアスがずらり、きらきらまぶしいモテ男子、でも金の亡者な高校生。
自分を慕う相手に援交させたりガールズバーで働かせたりして売り上げをごっそり頂く、あぽDKだった。
「架尹斗が言ってました」
うちのにいちゃん頭よすぎて金儲けはんぱないって。
「それから詐欺がうまいって」
「うちの弟は虚言癖がひでぇ感情失禁野郎だからな」
「俺も詐欺うまくなりたいです」
そろそろ殴っとくか。
「……痛い……あ、鼻から血が出てる」
「部屋まで来たら歯が欠けるかもな」
「歯なんていっぱいあるし。二つ三つ欠けてもいいし」
その発言で面倒度が一気にマックスへ達した克はアキラくんを放置することにした。
それがよりクソ苦々しい面倒を起こす引き金になるとは、思っても、みなかった。
「なんでアキラくんがいるの」
種違いの弟が想像以上にキていることを克は思い知らされた。
「お、俺、にいちゃんに嫉妬してもらいたくて連れてきたのに、なのになんで、俺の居場所なのになんで、アキラくんと二人っきりって、なんで?」
部屋にやってきた架尹斗はソファで平然と寛ぐアキラくんを見つけるなり泣き出してそんなどうしようもなくしょうもない言葉をぼろぼろ吐き出して、そして。
キッチンに駆け込んだかと思えば包丁を。
アキラくんや克に向けるのではなく自身の手首に宛がおうと。
「おい」
非力な架尹斗は簡単に克に腕を捻り上げられて包丁を取り落したが、相も変わらず涙ぼろぼろ、泣き喚くのを止めない。
「死ぬ、克が誰かと一緒になるくらいなら、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
こいつのオツムは何歳で止まっているんだろうか。
母親が死んだときか、俺が家を出たときか、他人が新しい家族になったときか。
今日一日詐欺活動に精を出して身を費やして疲労感も一入だった克。
いつにもまして暴力的プッツンしてしまった。
架尹斗の柔らかな黒髪を力任せに毟るように引っ掴むと。
うっかり壁ゴンした。
鈍い音が短く響いて、歪な振動が一瞬だけ起こって。
壁ゴンされた架尹斗はさすがに静かになった。
ずるずる、ゴンされた壁伝いに床へ崩れ落ちていった。
「……う……ひっく……うぇぇ……ん」
架尹斗は胎児みたいに丸くなって、めそめそ、克の足元で泣いた。
ソファでスマホをいじっていたアキラくんはのろのろやってくると克の背中越しにひょいと年上のおともだちを窺い、哀れむでも嘲笑するでもなく「痛そ」とだけ呟いた。
さすがにやり過ぎたと克は思った。
「上下の永久歯無駄にしたくなかったら帰れ」
克はアキラくんにそう告げ、めそめそ泣く架尹斗の脇腹に片手を差し込んで立たせ、寝室へ連れて行った。
どさりと放り投げるような真似はせず、ゆっくり、ベッドに寝かせる。
まだめそめそしている成人寸前なはずの架尹斗に声をかける。
「頭、痛むか」
また丸まった架尹斗は涙ながらにコクコク頷いた。
「吐き気は」
今度は首を左右にフルフルする。
「見えるか、目、ぼやけてねぇか」
ぼろぼろ涙目でちらりと克を見上げ、瞼をゴシゴシしてもう一度克を見上げ、コクコク、コクコク。
「どっちだよ、それは」
「……克にいちゃん、ちゃんと見える」
脳震盪には至っていないようだ。
「にいちゃん」
「なんだ」
「にいちゃん」
壁ゴンのショックでちょっとばっかし幼児退行した架尹斗は克の服の裾を掴んで言う。
「おねがい、おれのこと、ひとりにしないで、おかあさんみたいにいきなりいなくならないで」
もぞりと頭を動かして、普段は憎まれ口を叩くはずが、兄に本音をバラして甘えるようにもたれてきた弟。
「みんな消えてもいいから、でも、にいちゃんはずっといっしょいて、殴ってもいいから、蹴ってもいい、火傷いっぱいつけてもいいから」
DVで雁字搦めに繋がった関係みたいで笑える。
いや、笑えねぇか。
怒りはおさまったのに異常にふやけた架尹斗に欲情している自分がいる。
さすが豚未満の血だ。
冷えた寝室。
秒針の代わりに静寂を打つベッドの軋み。
捩れた声と生温い粘着音が絡まる。
「はっはぁっはぁっぁっぁーー……っぁーーっ……!」
まだ後頭部に頭痛を引き摺りながらも脈打つペニスに肉孔拡張を強いられ、狭苦しい肉奥を何遍も無残に乱暴に突き上げられて。
肌蹴た制服、膝に引っ掛かるズボンとボクサーパンツ。
空中で固定された架尹斗の尻に小刻みにぶち当たる厚い腰。
青っぽい白さにポツンと浮かぶ火傷痕が一つ、二つ、三つ。
「あんっぃぃ……っにいちゃっ、っ、ぁぅっ、ぁぅぅーーーー……ッッ!」
別にこいつを救いたいとも可愛がりたいとも思わない。
中出し専用の性処理係だと本気で思っているわけでもない。
「ぁっぁっ、克にいちゃっっ、にぃちゃぁっ、ぁっぁっぁっぁっ」
そう、こいつは弟。
出来損ないの家族。
克はそんな架尹斗を欲深く突き続けた末にその体内で、結局、中出しした。
悶絶するアナルの肉底でペニスを数回ぶるりと痙攣させ、白く濁る精液を最後の一滴まで流し込んだ。
「は……っはぁ……っはぅ……っはぅぅーーー…………」
掌で確かめてみれば架尹斗はすでに射精していて、その股間や腹はねっとりと濡れていて。
「……ン、ぁ」
すっかり解されたアナルから引き抜かれた克のペニスを架尹斗は自主的に自分の口内でお掃除した。
「イラマしてもいーよ……?」
豚未満の兄に犯されて感じるようになってしまった可哀想なくらい淫乱な弟。
そう割り切ることにして、架尹斗の感情は残酷なくらい無視して。
克は柔らかな黒髪に五指を絡ませた。
アキラくんは半分血の繋がった兄弟が壁の向こうでセックスしている気配をソファ上でマルボロを吸いながらぼんやりと感じ取っていた。
スマホ画面に写し出された情報が頭に入ってこない。
喉が渇いた。
体が熱い。
自分がシている時よりも心身が浮ついてクラクラしている。
全歯折るぞ宣言されたことも忘れてアキラくんはソファで微動だにすることもできずに、ただ、下卑た切ない熱を夜通し持て余す。
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