59 / 132

にいちがに、ににんがし、にいちゃん詐欺グループ主犯格でおとうとダメエロDK、クソワロタwww-7

青い光の中で青い魚たちが泳いでいる。 壁に埋め込まれた横長に広い水槽の中、無数の泡沫が下から上へ、揺らめく水草。 架尹斗はこどもみたいに水槽に両手をくっつけて中を覗き込んでいた。 靴もアウターもそのままにベッドへ仰向けとなった克は黙々と喫煙中だった。 「ここね、来てみたかったんだ。友達がサイトで見つけて、最初はそのコが行きたい行きたいって、でも高いし。でもやっぱり綺麗だね」 「友達って、フェラ専用のか」 「ううん、パイズリ専用のコ」 「あんなん痛ぇだけだろ」 「俺、あったかくて好きだったけど」 種違いバカ兄弟の会話はそこで途切れた。 ガラスをコツコツ叩いたりして魚と遊びたがっていた架尹斗は、克とは逆向きにベッドへうつ伏せになると、袋をガサゴソ言わせて白い箱を取り出した。 シールを雑に剥がして無造作に蓋を開けて、手掴みで、ケーキを食べ始める。 苺がずらりと乗っかったショートケーキ。 青い光に照らされてマズそうに見えたが、架尹斗は指先に大胆に掬った生クリームをぱくぱく食べていく。 「おいしい」 青い光に呑まれた一角、架尹斗の弾んだ声が青い静寂に波紋を落とした。 「にいちゃん」 目を閉じて正に休憩していた克が億劫そうに目を開けば架尹斗が覗き込んでいた。 「にいちゃんも食べて」 生クリームに塗れた指が差し出される。 その都度苛立っていたらキリがないと踏んだ克は、大した躊躇もなしに、弟の指先から苦手な甘味を頂戴した。 「おいし?」 「まずい」 「もう一口食べて」 不毛な一日だ。 一円だって生み出さない浪費ばかりの厄日だ。 「食べたらいっしょにお風呂入って」 ……今、俺は誰かに呪われているに違いない。 「風呂で食ってんじゃねぇよ」 「だって、アイスお風呂で食べたらおいしくない? お風呂で食べたらもっとおいしく感じるよね?」 「風呂で飯食うかよ、てめぇ、あの脱税趣味にどんな育てられ方してんだ」 部屋と同じ青い光に満ちたバスルーム、埋め込み式の白いバスタブで向かい合う素っ裸の克と架尹斗。 まさかの泡風呂。 そこで平然とケーキを食べる弟の横っ面を軽く蹴る兄、どっちもどっちだ。 「あの人は別に俺のこと育ててないよ、投資してるだけ」 「相変わらず粗末な脳みそしやがって、投資だって十分な教育に値するんだよ、育ち盛りの会社だろうが人間だろうが必要不可欠なんだよ、バカが」 「うん」 「お前の妹は元気してんのか」 こいつには腹違いの家族がいる、俺にとっては赤の他人だが。 架尹斗は答えずにそばに置いた箱からぐしゃりとケーキを掴みとる。 苺をむしゃむしゃ食べる。 「食べて、苺も」 身を起こすのが面倒でバスタブ縁にもたれたまま克が口を開けば架尹斗は苺を押し込んできた。 「おいしい?」 「プチプチすんのが得意じゃねぇ」 『おれのこと、ひとりにしないで』 大好きだった母親の血を分かつ唯一の俺に絆を求めて。 他は不要だと。 「昔、思い出すね、よくいっしょお風呂入ったよね」 「入ってねぇよ、妙な記憶捏造すんじゃねぇ」

ともだちにシェアしよう!