60 / 132
にいちがに、ににんがし、にいちゃん詐欺グループ主犯格でおとうとダメエロDK、クソワロタwww-8
厄介な一日は意外にもすんなり速やかに過ぎ去った。
気が付けば日付の変わる零時寸前。
マンションで制服のままソファに寝転がっていた架尹斗。
ソファの端に座ってタバコをふかす克。
夜の真ん中で長いため息が色づいたように紫煙がゆっくり立ち上る。
「なぁ」
「なに」
「なんで今日なんだ」
「うん?」
「自分の誕生日ならまだしも俺の誕生日に使いやがって、胸糞悪ぃ」
今日で二十九歳となった克にそう吐き捨てられて架尹斗は兄の不機嫌剥き出しな横顔を斜め下から見上げた。
「休肝日ってあるよね」
「は?」
「好きなお酒、我慢する日、あるよね。俺、そのつもりだった」
「お前酒飲まねぇだろ」
「ううん、違くて。俺、頭いいにいちゃん、好きだけど。人騙すことが上手なの、すごいって尊敬してるけど。でもそれって悪いことでしょ。だから一日くらい、ね。にいちゃんが悪いことしない日があってもいいんじゃないかなって、ね。おかあさんが痛いのガマンしてにいちゃん産んだ日とか。そう思って。休悪日みたいな」
「そんな言葉ねぇよ」
「誕生日おめでと」
「今日、後一分で終わるな」
「あ。じゃあ最後にいっこ」
「なんだよ」
「……キスして、くれる?」
日付はもう変わって克の誕生日は昨日になっていた。
「ん……ん、ん……ん、ん、ん」
弟の柔らかな黒髪にきつく絡みつく兄の五指。
弟の口内に満ちた兄の舌。
唾液塗れになって縺れ合う兄弟の舌先。
二人がキスしたのは初めてのことだった。
「は……ぁ……っぅ……ぷ……んぶ」
縋りついてこようとした両腕をソファに捻じ伏せた。
窒息させてやるように唇を塞ぎきった。
「んむぅ……っんんん……っ」
甘えるような声色。
息継ぎもままならない蹂躙に急激に発熱した下卑た体。
克に視線で縋りついてくる架尹斗。
「……勃ってんじゃねぇよ、架尹斗」
「ふぁぅ……にいちゃ……」
「俺は別にDV至らなきゃ興奮しねぇクソインポじゃねぇからな」
制服ズボン越しに架尹斗の股間に片手をあてがってみればその全身がビクリと波打った。
「は、ぁ」
「人を悪の権化みたいに扱いやがって……豚未満の俺にだって良心くらい備わってんだよ」
ゆっくりペニスを揉んでやる。
一端、離していた唇を再び繋げて上下ともに緩々と舐める。
「は、ぁ、ぅ……っや……」
面白いくらい唇伝いに架尹斗の震えが感じられた。
「や、だ……優しいの、やだ……っ変に、な……頭んなか、こわれる……ッ」
制服を捲り上げ、こもっていた熱を鼻先で掬い取って。
胸の突端に平らにした舌を這わせた。
「は……っやら、痛いのがい……ッ」
「呂律回らなくなるの早ぇぞ」
「ぁっ、んっ」
乳首をゆっくり吸う。
満遍なく濡らして軽く犬歯で擦る。
「ゃぁぁぁぁっっ……」
「面白ぇな……架尹斗」
「あ、っ、ひ」
「今日はクソケツ使わないでいってみるか」
取り出してみれば硬く勃ち上がった架尹斗のペニス。
掌に唾液を馴染ませてじっくり丁寧にしごいてやる。
同時にコリコリと膨れてきた乳首をしつこく吸う。
「んぁっだめぇっ……ひぎっぃ、ふぅぅ、ぅっ、ぁっ、ぁっぁっぁっぁっ」
カウパーが滴り出した亀頭を集中的にしごかれると架尹斗の声が止まらなくなった。
内腿を引き攣らせ、よだれどころか涙まで垂れ流してソファ上で身悶えた。
尿道口を親指で念入りにぐりぐり刺激されると竿がより強く脈打ち、溢れるようにカウパーが氾濫した。
粘液がねっとり糸引く。
「は、ぅ、はぅ、ぁぅ、っ、んむ」
また繋がった兄弟の唇。
舌と唾液と熱い息が盛んに行き交う。
「ん、ぐ、んぶ、ぅっ、っ」
カリ、裏筋に指を当てて軽く擦る。
空いていた手で唾液に塗れた乳首を触れるか触れないかの距離で、そっと爪弾く。
「んぷ、ッ、ッ、ッッ、ふ、っッッ!!」
きゅっとつねる。
ペニス先端を小刻みに上下に掌で摩擦する。
「ッ、ッッッ、ぷはッ、ぁぅぅッ、にいちゃッ、らめッ、やらってばぁ……ッ!」
ぼろぼろ涙しながら濡れそぼつ唇で甘い悲鳴を奏でた架尹斗。
克はそんな弟の首筋におもむろに顔を埋めた。
柔らかな皮膚に凶暴なくらい歯を立てた。
「ッッッッ……ぁぁぁぁぁ……ッ……ッ……」
不意討ちの強すぎる刺激に……架尹斗は泣きながらいった。
ヒクヒクと弱々しげに肢体を痙攣させて……射精しても尚続けられる執拗な愛撫に……絶頂し続けた。
「こッ……こわれひゃぅぅ……ッにいちゃ……」
「俺に壊されるんなら本望だろ、架尹斗」
「ッ、ッ、ッ、ッ……こわして……克……」
これのどこが良心だ。
死んだように架尹斗がソファにうつ伏せて眠る中、克は<かいとの言うことを一日何でもきく券>を破り捨てた。
引っ越していきなり消え失せたら、それこそ壊れるだろうか、架尹斗は。
「……ん」
乱れていたその黒髪を気紛れに整えていたら架尹斗は小さな寝言を洩らした。
引っ越しはまだ先伸ばしにしてやるかと、こどもじみた寝顔を見、克はそう思い直す。
ほらな、俺にはちゃーんと良心があって優しいんだ、なぁ、理想通りの大人になっただろ?
足元に散らばった紙屑に克はそう問いかけた。
end
ともだちにシェアしよう!