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姉婿エクスタシィ-4

亮輔の母親がお茶を持ってやってきた。 珍しく慌てた由紀也さん、ぎこちなく湯呑みを受け取ろうと両手を上げたものの。 むにゅむにゅっっ コーデュロイパンツ越しに股間をふみふみ揉まれて、危うく、湯呑みまで取り落としそうになってしまった。 「あら、大丈夫、由紀也さん?」 「は……はい」 むにゅむにゅもみもみ 「……っ……」 「顔、赤くない? コタツの温度下げましょうか?」 「あー、俺がするから、あ、携帯鳴ってない?」 タイミングよく母親の携帯が鳴り、しかも相手は友達だったようで、母親はダイニングテーブルに着くと上機嫌で話し始めた。 義母が背中を向けてお喋りに夢中になっている傍ら、義弟に服越しに足コキされて、由紀也さんはコタツ布団をぎゅっと握り締める。 「……だめです、亮輔くん、これ以上したら」 由紀也さんは勃起していた。 厚めのコーデュロイ生地を盛り上げる硬い感触。 亮輔はちょっと意地悪に聞き返す。 「え、もしかしていっちゃうの?」 「…………」 「たったこれだけで?」 ずりずりずりずり ぐりぐりぐりぐり 「……っ……」 「だめだって、喘いだらばれるよ?」 由紀也さんはずるい。 亮輔はたまにそう思う。 姉と夫婦でいるくせに、弟の自分ともセックスする。 つまみ食い程度のノリ、なんだろう。 ずるいよね、由紀也さん? 「亮輔くん……」 由紀也さんは潤みがちな双眸で向かい側に座って片足を動かし続ける亮輔を切なげに見つめた。 「そんな顔したって、俺、止めないよ?」 亮輔はごろんと横になった。 よりコタツの中に体を潜り込ませる。 「…………!!」 亮輔に両足で攻められた由紀也さんは思わず片手で口を塞いだ。 お茶を飲む余裕など一切ない。 服の内側で窮屈そうに勃起しているペニスを両サイドから挟み込まれるようにして、ごしごしごしごし、しごかれて。 丸めた背中がぶるぶる震えている。 今にも上擦った悲鳴を零しそうだ。 「亮輔」 今回は由紀也さんだけじゃなく亮輔もついぎくっとした。 足コキについ夢中になっていた彼はいつの間にお喋りを終えてコタツのすぐそばに立った母親をそろっと見上げる。 「お母さん、ちょっと出てくるわね。近くまでミナコちゃんが来てるっていうから」 「ああ、ミナコちゃんが……うん」 「留守、お願いね? 晩御飯、何か買ってこようかしら、何がいいかしら」 「……お気遣いなく、お義母さん」 母親は遅くなるようだったらメールする、父親の帰りは夕方になることを告げると、さっと外出準備を済ませて家を出て行った。 コタツに残された義弟と姉婿。 温くなった湯呑みからかろうじて一筋の湯気が舞い上がっている。 「どうしようか」 「……え?」 「このまま足でいってみる、由紀也さん?」 温もったコタツ内、由紀也さんの股間で盛り上がったテント状の天辺を足指でぐにゅぐにゅ亮輔は刺激した。 「やぁぁ……っ」 由紀也さんはテーブルに突っ伏した。 我慢していた声を喉奥から絞り出して、勢いの余り湯呑みまで倒してしまう。 「お母さん、すぐそばにいたのに、こんな勃つなんて」 「あ……っいや、ぁ……だめ……!」 「由紀也さんって顔に見合わず淫乱だよね」 「あ……っあ……っぁぁぁ……!!」 目に見えて由紀也さんは感極まった。 意地悪モードになっていた亮輔ははたと足攻めをやめる。 コタツ布団を持ち上げて確認し、視覚的にはよくわからなかったが、今の感じは……。 「……ほんとにいったの、由紀也さん?」 由紀也さんは返事をしなかった。 零れたお茶がすぐそばで水溜まりをつくり、セーターが濡れているのに構いもしないで、テーブルに伏せたままでいる。 「は……はぁ……ふ……」 「由紀也さん、泣いてる?」 由紀也さんは、ゆっくり、顔を上げた。 頬に伝う一筋の涙。 ああ、やっぱりずるい、由紀也さんって。 「だ、だめ……こんなところで……」 「だって、誰もいないし」 「そ、それに……玄関、鍵、かけてないですよね?」 「誰も来ないよ、多分」 義弟と姉婿はまだ一階リビングにいた。 二階自室に移動する間も惜しく、亮輔は、由紀也さんのコーデュロイパンツをその場で脱がしてしまった。 ボクサー派の自分は滅多に履かないトランクス、その中心はじんわりいやらしい染みを広げていて。 「やっぱりいったんだ……俺のパンツ後で貸してあげる」 コタツ上を蜜柑と引っ繰り返したお茶で散らかしたまま、ダイニングテーブルにいざなわれて。 由紀也さんは戸惑いを隠せない。 白昼、嫁の実家、リビング。 余りにも危険過ぎるシチュエーション。 だけれども。 「……実は、俺も、もうこんな」 ジーンズ前を寛げた亮輔に背後から密着されて由紀也さんはこの上なく疼いてしまう。 太腿に押し当てられた誰よりも恋しい人の熱塊の感触。 縋りどころのないダイニングテーブルに片頬を押しつけて、ぎゅっと拳を握り、つい腰を揺らめかせて。 「く……ください、亮輔くんの……」 恥ずかしげもなく願ってしまう。 願われた亮輔はじっと由紀也さんを見下ろした。

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