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姉婿エクスタシィ-10
最近、イベントの運営やセミナー参加で土日も忙しく、由紀也さんは久し振りに嫁の実家へやってきた。
当の嫁はライブがてら韓国へエステ旅行に出かけている。
同じ市内でマンション住まい、普段は徒歩で通うことのできるこの家に入り浸っている、ちょっと変わった不思議な姉婿……。
「寝てるんですか?」
いや、それにはちゃんと理由があった。
一目見た瞬間から恋に落ちた義理の弟に会いたくて。
「眠っている亮輔くんを見ていたら私も眠たくなってきました」
ギシリ
あろうことか、由紀也さん、コートを羽織ったまま亮輔の眠るベッドの中に自分も潜り込んでいった。
階下には義理の両親がいるというのに。
大人しそうな清楚な外見ながら結構大胆な真似を仕出かすのが由紀也さんの特徴だった。
仰向けに横たわる亮輔にぴたりと寄り添う。
暖房器具が停止している部屋は冷たく、吐く息は白い、しかしその分布団の中の温もりは心地よく。
「とてもあったかいです」
コートを羽織ってかさばる身でありながらも細身の由紀也さんは横向きの姿勢で落ち着くと、愉しげに小声で囁いた。
「でも、ちょっとタバコくさいですね。亮輔くん、もしかして喫煙してる……?」
してない、してないよ、由紀也さん。
近くで飲んでた女の人達がずっとスパスパやってたんだよ。
「ちょっと会わない間に随分と大人になったんですね」
抑えられた声はいつにもまして鼓膜をくすぐるようだった。
微笑まじりで、柔らかで、澄んでいて。
『あったかいですね、こちらのお布団』
前にも由紀也さんはこんな風に亮輔が眠る布団に入ってきたことがあった。
秋の温泉旅行、隣室に義理の両親が泊まっている状況下で、何ともしっぽりした一夜を過ごしたことがあった……。
『亮輔くん……本当、立派に男らしくなりましたね』
まさか真っ昼間から同衾してくるとは想像もしていなかった亮輔。
驚かせるタイミングを完全に見失い、しっぽり濃厚な一夜がみるみる脳裏に蘇って、内心困り果てた。
由紀也さん大胆すぎるよ。
大人しそうなキレイな顔してやること完全スケベだよ……。
「っ」
亮輔の瞼に不要な力がこもった。
だらしなくオープンしていたフロントにおもむろに届いた由紀也さんの手。
すでに昂ぶっていた朝勃ちペニスをボクサーパンツ越しに上下に撫でる。
硬さや太さ、サイズを確かめる手つきがこれまたヤラシイ。
「勃起してますね……これが亮輔くんの朝勃ち……」
うっとりした声は鼓膜をねっとり舐めるような。
「エッチな夢でも見たんですか……? それとも溜まってました……?」
由紀也さんは布団と毛布の下でより亮輔に密着した。
緩やかな愛撫に一段と膨らんでいく義弟のペニスに唇をやんわり綻ばせる。
徐々に乱れていく五指。
根元に実った睾丸から先端の亀頭にかけて何度も淫らに掌を滑らせる。
テント状に盛り上がったボクサーパンツの頂きを小刻みに擦り上げる。
「ふ……っ」
我慢できずに亮輔はつい吐息を洩らした。
由紀也さんは特に気にするでもない。
朝勃ちペニスを愛でるのに熱中しているらしい。
「どんどん硬くなってく……亮輔くんの、元気いっぱいですね……あ、お汁が滲んできて……このままだと布団や服が汚れてしまいますから……」
まだ狸寝入りを続けている亮輔はぎょっとした。
姿勢を変えた由紀也さんが布団の中にもぞもぞ侵入し、目を閉じたまま次の動向を気にしていたら。
ボクサーパンツをずり下ろされて。
それはそれは温かな口内にぬるぬる出迎えられて。
「っ、っ、っ……!」
由紀也さんは布団の下に完全に潜り込んで、今、自分の顔は見られていないというのに律儀に硬く目を閉じたまま亮輔は呻吟した。
うっすらほの暗い、温もった寝具の内側で義弟のペニスを美味しそうに咥え込んだ淫らな唇。
器用な舌の先が膨れ上がった亀頭を隈なく這う。
尿道口を細やかに舐め上げる。
しっかり段差のついたカリ首を食んでは念入りに啜る。
「ん……っン……亮輔くんの、立派な朝勃ち……久し振りの生おちんぽ……とっても美味しいです……先走りのお汁も、全部……好き……」
悩ましげに上下する布団、執拗に紡がれるリップ音、上擦った声。
薄闇の中で義弟のペニスにそれはそれは夢中になる姉婿、由紀也さん。
完全に最初の目的を忘れている。
どうしよう、バイトが、遅刻したら店長に怒られる。
まだダッシュで行けば間に合う。
最低、タクシーで向かえば、お金ないからバイトしてるってのに、何か本末転倒だけど、仕方ない……!
「……だめ……」
由紀也さんに声をかけようとした亮輔ははたと口を閉ざした。
何がだめなの、由紀也さん……?
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