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好き好き大好きサバトラさん-3
決定打は去年、あれでやっとガツンと思い知らされた。
『ねぇ、春虎さん。セックスってどうやるんですか?』
一人息子は男親の教育範疇を遥かに超えたレッスンをねだってきた。
『練習台になってほしいです』
『はあ!?』
『ゴムはこうつけるんですか?』
『うあっ、勝手に触んじゃねっ、おいッ、燐、てめぇッッ!?』
『まず勃起させないと駄目ですよね』
『ッッッ、勝手に、人のモンしごいてんじゃッ、う、う、う!』
どう考えたって普通じゃねぇ。
息子にムスコしごかれるって、ありえねぇ、んな反抗期聞いたことねぇ。
『前戯が必要ですよね……撫でたり、舐めたり……キスしたり……ン』
『んーーーーー!!??』
女子供は泣かせねぇ、それが守れるんなら後のこたぁ、多少グレたってそれはそれでイイ経験になるだろうと。
『あ……ほら、指、はいっちゃいましたね……? 春虎さんのココ、熱くてキツイです……』
まさかケツの穴に指突っ込まれるなんてよ。
『ほら、春虎さん……? コッチもはいっちゃいました……』
『う…………嘘だろぉ…………ッ燐…………ッ』
まさか息子のムスコまで突っ込まれるなんてよ。
「ペニス、こんなにビクビク脈打たせて、可愛いです、春虎さん」
「ッうるせぇうるせぇ!このバカ息子!グレられた方が何倍もマシだッ!」
「僕、バイクのうるさい音とか、苦手なんです」
「てめぇそれでも俺の息子か!!」
燐は両手で春虎の腰を固定すると近親アナル奥をエグイくらいに突いてきた。
麗しく剥けて健やかに育った息子ペニスで何度も何度も父親の尻膣を挿し貫いてきた。
「ふぐぅぅぅ~~ッッ!!」
ぶっ飛ばそうにも。
アイツの顔にそっくりで手が出せねぇ。
「はぁ……気持ちいい……春虎さん……お父さん……っ」
「はーーーッはーーーッ……り、ん……ッ」
どんどん冷めていく料理、どんどん高まっていく燐、耐え忍ぶ春虎。
禁断の交わりが繰り広げられて温度が上昇しつつある部屋にいつの間に紛れていた他者の息遣い。
チャイムを押そうとしたら中から怒鳴り声が聞こえ、そうかと思えば猫の鳴き声じみたものが静寂に滲むように奏でられているのを耳にして。
ロックされていなかった玄関ドアをそっと開けば空気を伝って流れてきた違和感。
「春虎さん……もうイかせてほしいくせに、まだ我慢するんですか?」
「うるせぇうるせぇッ!昼に何食おうが俺の勝手だーーーー!!」
壁の向こうで交わされていた、父子による禁断スキンシップ。
その場で硬直した彼は手にしていた荷物をどさりと落とした。
「……サバトラさん……」
春虎と、長らく目にしていなかった燐のため、美味しいものでも作ろうとスーパーで買い物して鯖草家へ立ち寄った一舜。
元ゾク仲間と目が合った春虎は凍りつきながらもその名を口にした。
「い……一舜」
父親が彼の名を呼ぶのを聞いた燐は。
咄嗟に中断していた律動を再開した。
「ッ!!?? ちょ、コラッ、燐てめぇッ、あっあっ、うあああああッ!」
「どうもこんばんは、一舜さん……? チャイムも鳴らさないで人の家に勝手に入ってくるなんて……神経、疑いますね?」
春虎がイイところとするポイントを小突いてやり、否応なしに感じてしまって身悶える父親を愛しげに見つめてから、嘲笑交じりに侵入者を見据えた。
「今ね……僕と父は親子水入らずの家族団らん真っ最中なんです……なので、お引き取り願えませんか……?」
一舜も一舜で。
衝撃的事実に呆気にとられて竦んでいたはずが、やたら美形に仕上がった燐を一瞥して。
立ち去るどころか中へ入ってきた。
「……警察呼びますよ?」
「呼んだらいい」
畳に片膝を突いて春虎の傍らに寄り添う。
限界まで顔を逸らしていた春虎の片頬に片手をあてがう。
「ッ……か、帰れ、一舜、今すぐ帰りやがれ!!」
「不法侵入で訴えますよ……?」
「訴えたらいい」
ねぇ、サバトラさん。
「息子の燐君とセックスして興奮するような外道だったんですね」
「ッ……そ、そんなんじゃ、ねぇッ、興奮してねぇッ、思春期息子が下手に発情しねぇよう相手してやってんだッ、子育ての一環だッ……帰れ!!!!」
「嫌です」
「ッ、ッ……も、二度とテメェの店行かねぇッ、コロッケ食わねぇッ、お前のこと嫌ってやっからな一舜!!!!」
燐にこれみよがしに揺さぶられてヒィヒィなりながらも、元暴走族総長よろしく啖呵を切った春虎に、一舜は……キスをした。
「っ……お、おい……てめぇ、なにやって、一舜……?」
サバトラさんのこと、ずっと、欲しかったんですから。
貴方の後ろに乗せてもらったときから、ずっと、ね。
end
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