118 / 132

エクストリーム系家族-4

「やだ……なんでこんなことするの……」 「レイジ、泣いてるの?」 「泣いて、ねぇっ……はなせぇ……おれのこと、あいつが呼んで……」 「しー。レイジ君、あれは彼の嘘鳴きです」 「んなわけっ……あっ……もう、そこ、さわんなぁ……やっ……」 「レイジの涙、おいしいね、もっとちょうだい……?」 結局、昔と何一つ変わってねぇ、こいつらも、俺も。 深夜0時に差し掛かろうとしていた。 「う……ぅ……」 顎に手を添えられて天井を仰ぐレイジに背後から口づけた凌貴。 固く閉ざされていた唇に舌先を這わせ、中に入りたそうに執拗にノックする。 「う」 レイジは自身の施錠を外した。 そういう風に躾けられて懐柔するよう骨身にまで仕込まれているから。 おかげで、たっぷり、唇を犯された。 顎下に追いやられた黒マスクに氾濫した唾液が零れ落ちていく。 貪欲な蛇じみた動きで蠢く舌先に満遍なく優しく凌辱された。 「可愛い、可愛い、僕の弟」 「はっ……ぁ……こんなバカげたこと、いつまで続けるつもりだ……」 「家族でいる限り永遠に」 「ふざけッ……誰がこんな家い続けるか……ッ」 背中から自分を抱き締める凌貴を睨めつけていたレイジは、不意に冷えた掌に片頬を抱かれてギクリとした。 「レイジ君、私にもさせてください?」 次は正面に迫る皐に震える唇を我が物顔で奪われた。 血の味がうっすら混じる唾液を音立たせ、再び親指も滑り込ませ、より放埓な口づけを父親は望んだ。 時に口角の新鮮な傷口まで舐め上げられた。 よからぬ痛みに呻吟したレイジに艶治な目を悦ばせて皐は唇同士を深く濃密に交わらせた。 「う、ぅ、ぅ……ッ……ッ……」 否応なしに湿っていく三白眼に二人して釘づけになる。 喉から手が出そうになるくらい物欲しくなる。 「ふーーッ……ふーーッ……」 皐に唇を深々と囚われ、威嚇する動物みたいに鼻孔で息を荒げるレイジにハートを蕩けさせた凌貴は、その胸元に手を回した。 黒パーカーをさらにはだけさせ、制服シャツのボタンを一つずつ外していく。 リビングの半分を控え目に照らす間接照明の元、上気した喉元から腹にかけ、汗ばむ肌を曝していった。 「皐さん、レイジの体が傷ついていないかどうか、見てあげて?」 「ッ……見んな、見なくていいッ……も、離せ……」 まったくもって身体的に非力でないレイジは二人を押し退けようともせず「離せ」と懇願するばかりで。 喧嘩を売ってきた相手に迷わず拳を繰り出す手は弱々しげに自分の黒パーカーを握り締めるばかりで。 メス捌きに長けた優秀な五指をもつ掌に胸元や腹をゆっくりなぞられると、痛々しげに体中引き攣らせ、無様に唸った。 「この辺りを蹴られていましたね」 痣の残る腹部を軽く押される。 少々痛む程度で吐き気もなかったレイジは押された場所一帯を過剰に戦慄かせた。 「やめ、ろ、皐、さわん、じゃ、ねぇ」 そのまま降下していく青白い掌。 ベルトもファスナーも素通りし、スラックスに深い皺を刻ませ、股座へ。 すでに発熱しつつある次男のペニスを服越しにそっと包み込んだ。 「う、う、ぅ、う」 「ここは、もう、こんなに硬くなっていますね……?」 「レイジ、溜まってるの?」 「うるせぇッ……も、いいから……嫌だ……」 片時も放し難く、ずっとバックハグしている次男をイイコイイコと凌貴は撫でた。 「そうだね、いつもならすぐ楽にしてあげるけれど、今日はお仕置きだから」 「今日はレイジ君に我慢を覚えてもらいましょうね」 怖気を奮うくらいに凍えた微笑を揃って浮かべた父親と長男。 意味がわからない次男は黒ずくめの二人の狭間で成す術もなく三白眼を伏せた。 「あッ……あッ……やめッ……あッ……」 片付けられたリビングの静寂を乱す途切れがちな悲鳴。 L字ソファの角に座る父親と長男に相変わらず挟み込まれた次男。 スラックスとボクサーパンツを脱がされた下肢にはスニーカー用のショートソックスのみ。 膝立ちになって皐を跨ぐレイジの剥き出しになった尻丘には二人の利き手が差し込まれていた。 「あああッッ……く……ッ……!」 凌貴が知人にもらったというローションで濡らした指に()し貫かれた後孔。 ソコを愛撫されるのは初めてだった。 混乱する心と反対に、二人に念入りに日々躾けられてきた体は未経験の指姦に容易く快感を見出し、レイジの純潔なる肉杭は独りでに屹立していた。 「私にこんなに擦りつけて、レイジ君、今日はいつにもまして素直な下半身ですね」 「本当は高校卒業まで待つつもりだったけれど、無断外泊、家を出るなんて勝手なこと言い出すから、ね……ワガママ言うレイジが悪いんだよ?」 二人ともトチ狂ってる。 「う、う、ッ、ぅ……嫌だクソッ……クソがッ……ッ」 こんなことされて勃つ俺も余裕で狂ってんな、あーあ……。

ともだちにシェアしよう!