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スパイシースウィートホーム-6
クリスマスがもう来週に迫ってる。
このままだと、おれ、ガチでお父さんと……せっくす……。
「嫌だ」
放課後、嫌だと嘆きつつも奏之のためクリスマスプレゼントを買いに一楓は街へ寄り道した。
「お前最近ひとり言多くね?」
友達の岡崎にも付き添ってもらった。
「何か悩みでもあんのか」
こんな悩み事世界の誰一人にも言えないよ。
「岡崎は。誰かにプレゼントやらないの。ここで買ってけば?」
「ここ高ぇよ」
ハイセンスなファッションアイテムや雑貨を取り揃えたセレクトショップ。
奏之が気に入っているお店だ。
ゆったり広い店内は居心地がよく、二人で買い物にくることもあった。
「こんなトコにとーちゃんと二人で? どんなとーちゃんだよ」
おれのお父さん?
弁護士のくせ息子に手を出す非常識人の犯罪者ですけど。
でも正直ハイスペックですけど。
見た目ハンパねーですけど。
「わ。すげーイケメンいるぞ。見てみろよ」
岡崎がこんなこと言うのめずらし、よっぽどイケメンなのか、でもまぁ正直おれのお父さんには叶わないんじゃないかなー、どれどれ、
「うわっっっ」
岡崎の視線を辿って行き着いた人物に一楓はぎょっとした、紛れもない自分の父親がそこにいた、しかも。
全く見覚えのない連れがいた。
「あーいうの美男美女っていうのかね、オーラ違うよな、でも男の方がダントツ目立って、あれっ、アイツどこ行った!?」
クリスマスプレゼントを買うのも忘れて、奏之が自分の知らない美女と親しげにしている光景に想像以上のショックを受けて。
岡崎をほっぽって店を飛び出した一楓なのだった。
「どの口がそんなこと言うのかな」
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