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兄弟フレンド-4
「あ……っ奥、こんな奥まで、すごい……っそこ、もっと犯して……? 兄さんのでいっぱいにして……? あ……っん……っ……あっあっあっあっ……あん、すごい、きもちいい……っ俺のこと、もっと、もっと犯し……っ、ああ……っ、っっっっ……ッッッッ……!!」
二十九歳の雪哉は壁に両手を突いて淫らに乱れていた。
雅巳のペニスを欲深げに咥え込んだ尻孔。
隆々と膨張した凶器なる肉塊が行き来する度に熱く締まる。
靴を履いたままの二人。
殺風景なマンションの一室、玄関で発情しきって、肉と肉をひたすら絡ませ合う。
久し振りに味わう雪哉の仮膣奥にペニスを擦りつけ、雅巳は、狂おしいくらいの締めつけにさらに下肢を昂ぶらせていった。
「そのまま……っ兄さん、俺に……っ」
十五年前のあの生温い夜のときも同じだった。
唇だけでは満足できずに初めて下半身を一つにしたときも。
『兄さんの……っナカで、動いてる……あ、あ、ん……っ……すご、ぃ……っ』
『……雪哉』
『ずぷずぷって……いっぱい……はいってきてる……』
華奢な体を汗で濡らし、狭いソファで息苦しそうに喘いでいた弟に、兄は手加減なしに叩きつけた。
跡がつくくらいに太腿を鷲掴みにし、初めて暴かれたばかりの尻底を激しく掻き回し、突き上げ、そのまま。
唯一の家族である弟に精液を注ぎ込んだ。
『あ…………っっ?』
ビクン、ビクン、自分の体底で荒々しく脈打った兄のペニスに弟は目を見開かせた。
限界まで押し開かれた太腿を弱々しげに痙攣させ、たどたどしい手つきで自身の腹をそっとなぞった。
『兄さん、の……きて……すごく、いっぱい……』
火照った顔を扇情的に歪ませて笑った雪哉に雅巳は我知らず見惚れた。
すでに異性の感触を知るペニスは直接的な刺激を得られずに、射精まで辿り着けず、濡れそぼった先端をもどかしげに反らしていて。
シャツの狭間から覗いた肌は汗に濡れ、淡く艶めき、男の理性を凌辱する妖しさに満ちていて。
元から理性に乏しい雅巳は。
『あ……!!』
雪哉を四つん這いにすると沈めたままでいたペニスを再び激しく動かし始めた。
『あっ……あんっ……あんっ』
最初よりも乱暴に、最奥に流し込んだ精液を絡ませて露骨に音を立て、弟のナカを抉り突く。
背後に両腕を引っ張り上げて上体を浮かせ、膝立ちにし、少女めいた丸みを残す尻にひたすら腰を打ちつけた。
『やっ、兄さっ、いやっ、あんっ、あっ、あっ、あっ、あっ』
次から次に唾液を溢れさせ、涙まで流し、ただ揺さぶられていた雪哉の内側で速やかに二度目の射精へ至った。
『あーーーーー……っっっ』
「あん……兄さん……」
玄関で壁に両手を突かせた雪哉の最奥目掛けて雅巳は吐精した。
「ハァ……ッ」
「あ、ぅ……んぅ……ン……」
十四歳の雪哉は雅巳の手で達したが、二十九歳となった今、兄だけに従順となった体は独りでに絶頂を迎えていた。
微痙攣する体の正面に触れてみれば精液でぬめったペニスの温み。
「あっっっ」
雅巳は達したばかりで敏感な雪哉を手荒にしごいた。
痛いくらいの快楽に崩れ落ちた彼にのしかかり、最奥に向け放ったばかりの精液を肉塊の頂きで無造作に攪拌する。
生温い仮膣の奥でさらに我が身を硬くさせていく。
『兄さ、兄さん、もっとぉ……』
「もっと……っ俺のナカっ……もっと壊して……?」
「兄さんは結婚しないでね?」
街を包み込む蒼茫たる夜の残り香がゆっくりと褪せていく明け方近く。
「俺以外の誰かと幸せにならないでね」
「随分と勝手だな」
ベッド際のサイドテーブルに置かれた灰皿にタバコを押しつける雅巳、兄の胸にもたれかかった弟。
「ねぇ、兄さん」
「結婚式には出ねぇぞ」
「キスして」
紫煙が香る兄の唇に雪哉は満足そうにため息をついた。
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