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兄弟フレンド-5
「雅巳ぃ、金貸してくれよ、ケツ貸すからさ」
L字型のデスクに腰かけた咥えタバコの諸住に雅巳は「灰が落ちる」と無表情に灰皿を差し出した。
諸住は夜が染みついたような気だるげな笑みを浮かべると、灰皿を差し出していた雅巳の手にタバコをじゅっと押しつけた。
「ッ」
「間違えちゃった」
油断していた雅巳は灰皿を落としてしまい、デスクに雑然と放置されていた書類は山盛りだった吸い殻及び灰をかぶる羽目になった。
「クソが」
「そういえばお前の雪女、結婚すんだって? デキ婚? よく相手半殺しにしなかったねぇ」
「なんで知ってんだ」
「3Pしてみたかったんだよなぁ。雪女に俺のコ孕ませてあげたかった」
「お前の精子なんて子宮につく前に全滅だ」
火傷の痛みを紛らわせるため手をブンブン振っている雅巳に諸住は自分が吸っていた二本目のタバコを掲げ、咥えさせてやった。
「雅巳のコなら孕んでやってもいい」
「嬉しくて涙が出る」
「でもそんなことしたらブラコン雪女のユキきゅんに半殺しにされっかな」
気だるげに笑い続ける恋人の諸住に雅巳はめんどくさそうに舌打ちした。
『諸住さんとも幸せにならないで?』
こいつと二人で手にする幸せなんて想像もつかねぇが。
ただ、幸か不幸か、もしもそうなった場合。
雪哉に半殺しにされても俺に文句言うんじゃねぇぞ、諸住。
end
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