19 / 132

ねぇにいさんこっちむいて?-2

「朔真兄さん、好き……」 俺は朔真兄さんをベッドに押し倒した。 うつ伏せにして、背中にのしかかり、ぎゅっと背中に抱きつく。 「有亜はカワイイし、更紗姉さんは美人だけど、俺、好きってわけじゃなかった」 「寝たのは、誘ってきた二人のせいだって、そう言いたいのか?」 「ううん、俺のせいだよ、全部俺の責任です、だけどちゃんとゴムつけてたし、」 「潤平!」 「あう、ごめんなさい。でも、でもね。俺、馬鹿だからうまく言えないけど、かあちゃんが父さんと一緒になって、父さん、親父と違ってすごく優しくて、酒飲んで殴ったりしないし、髪引っ張らないし、俺、嬉しかったんだよ、でも、不安で、いきなり家族が増えるとか、どうなるんだろうって、だけど、朔真兄さんも優しくて、手、握ってくれたりして、小六のガキにこの人何やってんだろって、ちょっと笑えて、そんで、気持ちが軽くなって、だから俺を受け入れてくれた有亜も更紗姉ちゃんのことも、大事にしないとって、思って、二人のこと、悲しませたくなくて、俺、ホント、ごめんなさい、朔真兄さん、」 「もういいよ、潤平」 なだらかな背中に顔を押しつけていた俺は瞬きした。 目線を向ければ朔真兄さんが肩越しに微笑んでいた。 あの時と同じ笑顔に俺は心からほっとした。 同時に、我慢できなくて、朔真兄さんにキスした。 引っ繰り返して、胸と胸を重ねて、夢中でキスした。 ああ、唇がとけそう。 何度も何度も、角度を変えて、舌先を絡めて、あたたかい唾液を掬って、飲み込んで。 いやらしい水音が立つ度に興奮した。 朔真兄さんに抱きしめられると、もっともっと、興奮した。 深く重ねていた唇を離すと涎の糸がぶらんと垂れ下がった。 ぷはぁっと、朔真兄さんが息を吹き返す。 すべすべの頬は赤くなって、唇は上下ともぐっちょり濡れていて、白い歯が覗いていて。 俺から視線を逸らした双眸は涙を含んだまま淡く濡れていて。 俺はやっぱり我慢できずにまた朔真兄さんにキスした。 「ん……っ……」 口の中を尖らせた舌先で撫でる。 ぎゅっと、朔真兄さんがしがみついてくる。 どうしよう、気持ちいい。 朔真兄さんの両足の間に体を割り込ませていた俺は股間同士も密着させた。 ぐりぐりっと、押しつける。 「……わ、潤平、っ」 驚いた朔真兄さんが声を上げたので、俺は、押しつけた状態で静止した。 「お前……勃ってる、のか?」 「うん……」 「……それ、どうするつもりだ?」

ともだちにシェアしよう!