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ねぇにいさんこっちむいて?-4
外から子供の笑い声や車の走行音が聞こえてくる。
「朔真兄さん、いれるね……?」
すでに指で慣らした、朔真兄さんの孔。
フェラしながら中指と薬指を出し入れしていたら、一度いってしまった朔真兄さん、そのペニスは精液と俺の唾液でびしょ濡れだ。
着ていたシャツは肌蹴て、下半身を剥き出しにされて、ベッドに仰向けになっていて。
目を逸らさずに、俺のこと、見てくれる。
俺は根元を支えたペニスの先っぽを僅かに緩んだ孔に押し当てた。
自分の精液をぬるぬる塗りつけた。
「……それ、変……だ」
「ローションとかの代わりになるかな、って」
「ん」
ついさっき脳裏に描いた光景が現実になることに、つい、武者震いして。
押し当てた先っぽを、そのまま、ぐっと、孔にめり込ませた。
拡げられて、皮膚が捩れて、皺が増える。
「やっぱり……狭いね……」
一呼吸つくにはまだ早く、俺は息を止めるように唇を噛んで、またぐっと力を込めた。
みりみりぃっと亀頭で孔を押し上げる。
異物を押し出そうとする肉の抵抗に逆らって、半ば無理矢理、カリ首までぐぐぐっと進める。
「あ……っ」
朔真兄さんが仰け反った。
初めてだし、指で慣らしていても、やっぱり痛いよね?
だけどごめんね、朔真兄さん?
俺、もう、止まれないよ。
窮屈な肉壁の愛撫に自制心が溶けて、俺は、一気に朔真兄さんの孔へペニスを突っ込んだ。
無理な拡張に当然朔真兄さんの体は悲鳴を上げる。
骨が軋んで肉が波打つ。
押し潰されるような勢いで脈動するペニスが圧迫される。
ぎちぎちと、中の粘膜が音を立てて収縮しているみたいだ。
「あ……あ……あ」
朔真兄さんは後頭部をシーツに押しつけて喉を反らしていた。
ぴくぴく、喉仏が痙攣している。
際どい孔の抱擁にクラクラしながらも、俺は、ぴくぴく動くそこを指の腹でなぞってみた。
「んっ」
すると朔真兄さんの全身がびくんっと跳ねた。
きつく閉じていた瞼を怖々と開いて、涙目で、俺を見上げてくる。
「……潤平……」
ああ、朔真兄さんと繋がってる。
夢みたい。
一呼吸つくのも疎かに、俺は、動いた。
朔真兄さんの足をもっと開かせて前後に腰を振る。
か細い孔奥へペニスを捻じ込んでは途中まで引き摺り出し、ピストンする。
「あぁ……ん……っく」
朔真兄さんはまた目をぎゅっと瞑った。
胸を反らし、開かされた足をぶるぶる震わせ、いつもと違う声色で喘ぐ。
視界に引っ掛かった、朔真兄さんの、小さな乳首。
上体を倒した俺は無我夢中でその突起を犬のように舐めた。
「っ……そこっだめ……っ、や……!」
朔真兄さんの途切れがちな声に俺は益々発情する。
乳輪ごと食んで、細めた舌先で、ぷくっとした小さな尖りを好きなだけ味わう。
唾液を絡ませてとろとろにし、むしゃぶって、思いきり吸い上げる。
痛みで萎えかけていた朔真兄さんを握り締めてしごいた。
乳首を甘噛みしながら、突き上げながら、濡らしてあげたペニスを上下に擦り上げた。
「あっあっ……ひぃぁ……っ」
孔の奥がもっと熱くなった。
ペニスを踏み潰されているような危うい感覚に背筋がぞくぞくしてくる。
「すごい、こんないいの……はじめて……」
俺は思わず呟いた。
浅めに上体を起こし、眉根を寄せて目を瞑っている朔真兄さんを覗き込む。
しごく手を、律動する腰を休めずに汗ばむ頬をべろりと舐め上げてみた。
すると、朔真兄さんは薄目がちに俺を見て。
ほんの少し笑った。
腹の底がずしんと重たい熱を孕んだ。
「朔真兄さん……」
俺は朔真兄さんの唇に唇で縋りついた。
片手で骨ばった手首を掴み、奥の奥までずんずんペニスを叩き込んで、加減も忘れてペニスをしごいた。
「ん…………!!!!」
「んんん……っっ!!」
俺と朔真兄さんはキスしたまま、互いの肌へ、一緒に精液を弾いた。
「ずっと好きだった、潤平のこと」
夢見るように抱きしめていた朔真兄さんのそんな言葉に、俺は、永遠の居場所を見つけたような気がした。
end
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