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強気上司とラブホHって経費で落とせますか?-2

なんだか冷たい。 いや、程よく全身に回ったアルコールで体はぽかぽか暖かいのだが、なんだか、耳元がぞくぞくする。 そういえば居酒屋でビールを飲んでは煙草を吸い、煙草を吸ってはビールを飲んでいたような、延々と。 へらへら、ぼんやりしている部下に向かって日頃の鬱憤を延々と吐き散らしていたような……。 「あ、先生、起きました?」 「……ぽかぽかしてあったかいです、倉科先生」 やたら至近距離で聞こえた部下二人の声に上司の閉ざされた瞼がぴくぴくぴくぴく。 眉間に深い皺を寄せ、薄れていた意識を取り戻し、目を開いてみれば。 天井からぶら下がる安っぽいシャンデリア、けばい花柄カーテン、目がチカチカしそうな心安まらないピンクと白のストライプ壁紙。 そこがラブホの部屋であるのは一目瞭然だった。 「先生酔い潰れちゃったから、家わかんなくて、とりあえずここに運びました」 「……カラオケはいっぱいでした」 まぁ、あれだ、それだけの話ならまだ納得できる、昭和生まれには思いも寄らない突飛な対処法ではあるが、ゆとり世代ならではの選択なのかもしれない。 だがな。 なんで両サイドからぴったり密着される必要がある? しかも、びっしょり濡れるまで耳を舐められる必要がどこに? 「うわっなんだこれ! えっ、なんだこれ!?」 人懐っこい犬並みにべろべろべろべろ両耳を舐められていることに驚いて。 次に、自分の両手首を背後で拘束されていることに再び驚いた、あたふた倉科。 「倉科先生、抵抗すると思って?」 「……あらかじめ僕のネクタイで縛りました」 上着を脱がされてワイシャツに解けかけたネクタイ姿の倉科、そんな彼をベッド上でぴったし挟み込む椎葉と双海。 スーツはだらしなくボタン全開、喉元を大いに寛げたワイシャツはスラックスから食み出る始末。 二人は真っ赤になった上司の耳を相変わらず舐め続けている。 これがゆとり世代による口うるさい上司に対する逆恨みの末のイヤガラセなのか!?

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