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強気上司とラブホHって経費で落とせますか?-7

「倉科譲司法書士事務所」のみがはいった薄暗い六階フロア。 すりガラスのはめ込まれたドアはうっすら開かれており、その隙間から何やら洩れ聞こえてくる。 そっと覗いてみれば、応接ソファの背もたれの向こうで、倉科と双海が秘め事残業中で。 「うわ……っでか……ッ!」 AV男優並みなサイズである双海に倉科は最初は拒否反応を見せる。 もちろん引き下がらない双海、熱心に猛アピール、優しく擦り寄ったりカウパーをぬりぬりしたり、倉科に寄り添ってはぬるぬるを分かち合ったり。 「あ……ッ先っぽ、挿入りました……」 それなりに経験を積んでいるくせに本命だと焦ってしまう双海、ぐいぐい、ぐいぐい、先を急いでしまう。 まだちゃんと受け入れ体勢が整っていなかったというのに、がっついて、がっついて、がっついて。 一気に奥まで犯してしまう。 双海の真下で倉科は苦しげに仰け反った。 疲れマラだったはずが、痛みで萎えてしまい、たちまちしょんぼり。 「あ、ごめんなさい……」 「この……ッ……ッやっぱ抜け!!」 「それは……ムリです」 「前回はローションがありましたもんねぇ」 「……先生、ここ、ローションないですか?」 「そんなもんあるか……ッ!! ……ッ……?」 痛みの余りきつく目を閉じていた倉科だったが、双海以外の声が聞こえたのは気のせいかと、慌てて瞼を持ち上げてみれば。 「倉科先生、ご開業おめでとーございます」 もう一人の元部下、椎葉が平然とソファの傍らに突っ立っていて。 「!!??」 「あ……椎葉くん……」 「もー、双海先生、お怒りだよ? 連れ戻してこーい、だって、俺にまで飛び火だよ、フタミン?」 「……ごめん、椎葉くん」 「ふっつうに……俺の上で会話するなッ双海ッ椎葉もッッ!!」 前屈みになって背もたれに両腕を突かせた椎葉、限界まで抉じ開けられて涙目しかめっ面の倉科に笑いかけた。 「なつかしーです、倉科先生、その怒鳴り声」 おもむろに伸びてきた指先が弱々しげに震える唇をなぞった。 「ねー先生……どーしてフタミンがすぐに先生を追いかけなかったか、わかります?」 「はっ?」 「ぜんっぜんものにならなかったでしょ? 書類作成すらままならなかったでしょ? 俺も含めてですけど」 フタミン、お勉強してたんですよ、先生のために。 役に立てるよう、補助者としての基礎をしっかり覚え込んでから、追いかけようって、ねー、健気ですよねー? 「そ、そうなのか?」 倉科に問いかけられて双海はこくんと頷いた。 そうなのか、そんな努力をしてきた双海を、俺は、あんな足蹴に。 あんなにヤル気のなかった双海が勉強したのか。 すまなかったな、双海……? じっと見つめ合う倉科と双海、椎葉は少女マンガの脇役さながらに、そっと微笑み、そっとその場を去るのかと思いきや。 事務所のドアを内側からロックするなりまたすぐソファへウキウキUターン。 「さーこれで心おきなく3Pできますよー?」 「……椎葉くん」 「へっ変態変態ッ……! やっぱ嫌だッッ! 俺の事務所から二人とも出てけッッ!!」 倉科の悲鳴が事務所内に空しく響き渡った……。

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