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美ボイス刑事さん、いらっしゃあい!-6

いいにおい。 さくらって、こぉんな、いいにおい、したっけ。 きもちがいい。 ふわふわ、ふわふわ、あたまんなか、ちょうちょだらけ。 ちょうちょ、ちょうちょ、さくらにとまれ。 ……このにおい、周防フレグランスにそっくりだなぁ……? 「まだ蝶々の気分で菜の葉にとまらず桜の中を飛び回ってるんですか……?」 それまで酩酊していた安芸の鼓膜を緩やかに撫でた艶めくバリトン美ボイス。 年若い刑事は正に薄い翅で浮遊する蝶さながらに目覚めと眠りの境界線上をふわふわ彷徨う。 「ん……周防さぁん……?」 あ。 あつい。 「周防さぁん……おれぇ……あつい……」 「桜の薫りに火照りましたか」 「ううん……周防さんの、におい……きもちいい……」 ほんとう、きもちいい、しぬまで寝そう。 「濡れそぼった翅だとうまく飛べないでしょう」 「濡れ……て……? っ……あ、あ……んっ」 「花の蜜より溢れてますね、君の……」 そこは周防の自宅マンションだった。 ブラインドが下げられた寝室、シックなダブルベッドの上でセーラー服を乱した客人にネクタイ、チョッキという正装姿の主が寄り添っている。 膝丈スカートに秘められた禁断の領域を優しく犯す美ハンド。 下着はすでに脱がされて、いつの間に発熱しきった隆起を直に握り締め、余すことなく愛撫する。 「あ……っ」 横向きになった安芸は鼻から抜けるような甘い声を出してシーツに片頬を埋めた。 薄い翅を切り裂かれて現実に落下した彼は切に嘆く。 「どう、して、こんなこと……俺っ……諦めるつもりだったのに……っあの夜のことは、何もなかったことにするって、そういう流れだったから、俺……」 「じゃあここで止めてあげましょうか」 先走りで艶めくペニスに絡みついていた五指が離れかけて、安芸は、嫌々と首を左右に振った。 「……周防さんがわからないです」 「私を知りたいんですか?」 離れかけた五指がさらに大胆に纏わりついてきた。 色濃く熟れた先端を集中的に小刻みに擦り上げられる。 「あっあっあっ……知りたいです……周防さん……周防さぁん……っ……も、だめ……っもぉむりですっ……でちゃうっ……っ……」 仰向けにされて安芸はどきっとした。 普段はしつこくない程度にセットされている前髪をはらはらと乱した周防が真正面に迫り、心音が一気に加速した。 スカートを履いたままの両足を無言で開かされただけで愛撫は中断されているというのに絶頂を来たしそうになって。 周防が深く腰を落としてきた際には病みつきになりそうな甘い痺れに全身をビクビク震わせた。 「私に貫かれながら射精してごらん」 後孔をじっくり拡げられてナカを緩々と摩擦されながら、いつになく色香の増した声で囁かれると……即、素直に従った。 「あーーー……っい、く……っっ……!!」 「……はぁ」 「ッ、ッ、ッ……し、締まっちゃいます、俺ぇ……周防さんのこと、締めちゃぅ……っ」 耳元で紡がれた何とも悩ましいため息にゾクゾクが止まらず、後孔が狂的に締まり、体中に満ちる射精感に新たに酩酊しながらも上司を気遣う部下。 周防は微笑した。 「そうですね、君のナカ……刃向かうみたいに私に噛みついてくる」 い、いっちゃう、声だけでまたいっちゃう。 「こんなに素直な安芸君の性格に反して、ココだけは従順じゃないですね……?」 「んくぅ……っし、躾けてくださぃ……周防さん……貴方の好きなように……っ」 「君自身は本当に従順ですね」 絶頂に達したばかりで滾る体に周防の熱源が打ち込まれる。 鮮やかに色づいた欲望が捌け口を求めて安芸の腹底を掻き回す。 「あ、んっ……っもっと叱って……俺のだめなところ……っ……厳しく教育してくださぃ……っ、ぁっ、イイっ、っ、っン、ぁっ、ぁっ!」 情けないよがり顔を全開にして安芸は周防にしがみついた。 「ひっ、ん、すごぃっ、周防さっ、っ、っく、ふ、っはぁ、はぅっ」 「飴より鞭がお好みですか……?」 「どっちもぉ……っどっちもほしぃです……っ」 「欲張りですね、奥まで……? ほしい……?」 「ぁぅぅぅっ……奥、きてっ……奥ィィっ……周防さぁん、もっとぉ……っ」 スカート下で尻を抱え込むように掴んで、周防は、より髪を乱した。 「もっと噛みついてごらん」 そう囁いて安芸にキスをした。 可愛げのありすぎる従順な部下の尽きないおねだりを一夜かけて叶えてやった。 「昨日会う予定だった相手が彼です」 あられもない一夜の痕跡が色濃く残る寝室を完全閉め切って、朝一シャワーを済ませた周防は、昼過ぎに自宅マンションへ連絡もなしにやってきた彼にうろたえることなく悠然と紹介した。 「はじめまして、こんにちは」 紹介されて立ち尽くす安芸。 「母が風邪を引いてしまって。祖父母は旅行で留守だったので一人にしておけなくて」 「そ、そうですか」 「いつも父がお世話になってます」 ギリギリお風呂を済ませて酒とタバコの匂いが染みついたセーラー服……ではなく、スーツに着替えた安芸は目の前の彼に釘付けになっていた。 す、周防さんのお子様。 小学生ながらもやっぱり美力半端ない、です。 息子にも紹介された安芸刑事が周防の鉄壁を打ち崩すのは時間の問題……? end

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