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キミの女装に乾杯!!-4
「本当にあのオプションを営業戦略に組み込むつもりなのか」
諸岡課長に問いかけられても侑月は涙目のアーモンドアイを見張らせるばかりで答えることができずにいた。
か、課長にキスされた……。
これは、ひとえにおもてなし精神によるもの……ですか?
「侑月君」
「えっ、あっ! スミマセンっ、何のお話で!?」
「営業効率化を図るプロセスの一環として君の女装を取り入れる話だ」
「あの話ですかっ、あれは主任のお戯れですよぉ……俺の女装なんか、精々、お酒の席での余興の一環に過ぎませ、」
急に両肩をぐっと掴まれて侑月はどきっとした。
「そんなことはない」
「か、課長ぉ……でも、あのとき、ぷいってしたじゃないですかぁ……」
「君があんまりにも可愛らしくて正視できなかったんだ」
!?
「っ……気を遣わせてスミマセン、諸岡課長」
「できれば女装は俺の前でだけしてほしい」
!!??
「お、おもてなし精神、ご丁寧に、痛み入りますっ」
「それと、もう一つ」
侑月はびっくり仰天した。
経理課所属の真面目な眼鏡課長からお姫様抱っこされてとうとう言葉を失った。
口をパクパクさせ、顔面まっかになって自分を凝視する侑月に、撫でつけられていた前髪をハラリと乱した諸岡は真顔で言う。
「くるくるするのも俺の前でだけにしてほしい」
嫌われていないどころか、これって、これって……。
「あ……っ……あの……諸岡課長……っ」
モノトーンのインテリアに統一された薄明るいベッドルーム。
「俺……こんなつもりじゃ……」
ダブルベッドに仰向けにされた侑月の視界にはベースカラーがシックなブラウンの天井と、自分に覆いかぶさる前髪ハラリの諸岡が。
「俺もこんなつもりじゃなかった」
三十八歳の経理課課長は微笑んだ。
なかなかお目にかかれない諸岡スマイルに侑月は……やっぱり、どきっとしてしまう。
「侑月君にセーラー服を着てもらって鑑賞するだけのつもりだった」
「っ……そんなに……似合いますか、俺……」
変態テイストが見え隠れした諸岡の発言にヒくどころか、侑月はモジモジする。
「似合ってるなんてものじゃない、怖いくらい完璧だ」
俺、ゲイじゃないのにさっきからドキドキが止まらないです、諸岡課長。
「前から気になっていた君にああ言われたら、どうしたって、こんなつもりになる」
「っ、前からって、えっ、あのっ、それどういう、っ……っ……っ」
再び侑月は諸岡にキスされた。
しかも、今度は、舌が。
「ん……!」
純粋に憧れて尊敬していた上司からの濃厚キス。
恋愛感情とは別物であったはずの憧憬の念がどんどん歪んでいくほどの、それはそれは、露骨ながらも柔らかな粘膜に極上の刺激を植えつける、熱く濡れた口づけで。
真面目な課長が、潔癖な課長が、こんな、こんな……すごいキスするなんて……嘘だぁ……。
それに、実は、さっきから。
お股の間に入ってきた膝で、やんわり、ゆっくり、グリグリされてて。
あの諸岡課長がこんなスケべなコトしてくるなんて……。
どうしよう……。
こんなギャップ反則ですよ、目覚めちゃうじゃあないですか……!!!!
「ひっ」
諸岡は、溶け落ちそうになっているグミの果実を後にすると次は耳たぶへ。
甘噛みされて侑月は思わず悲鳴を上げてしまう。
柔な首筋を軽く啄まれると、ぎゅっと、目を閉じた。
端整な唇で頤 をなぞられると喉骨がピクピク波打った。
「くすぐったいのか?」
「っ……耳元で囁かないでくださぃ」
「侑月君」
「ひぃぃっ……だ、だめです、ほんと」
「ちゃんと触ってみてもいいか?」
問いかけと同時に、両足の間に割って入っている膝頭で股間をやや強めにグリグリされて、侑月は首を左右にブルブル振った。
「だめですよぉ、課長……」
「……本当に可愛いな、君は」
「あっ、っ、だめって、言ったのに、ぃ……ぅぅぅ……っ」
「やっぱり。スカートの下でこんなに硬くなってるよ……」
「い、言わないで……くださぃ……っ」
スカート下に潜り込んだ手がボクサーパンツ越しに侑月のソレをそっと撫で上げる。
掌を押し返すような小生意気な感触に諸岡は微笑を深め、侑月は耳まで紅潮させる。
「だ、だめ、です」
「俺は君にもっと深くさわりたい」
「っ……課長、それやめてくださいっ、普段は物腰柔らかなのに急に強引とかっ、ギャップでおかしくなりそうですっ」
「そうか。それならいっそ、おかしくなったらいいんじゃないか……?」
「か、か、課長ぉ~~っ……ナマお触りはっ、ちょっと……あぅっ……ちょ、ほんと……ぅ~~……っ」
ボクサーパンツの内側にまで潜り込んできた強引な掌に侑月は、堪らず、上司にしがみついた。
「それでいいんだ」
部下のペニスを優しく握り締め、上下に大きく擦りながら、ブルブルしている部下の頬に諸岡はまたキスをした。
「よ、よごしちゃ……」
「汚していい」
「っ……か、買い取りますから……このセーラー服っ……ぁぅっ……んっ……あ、あ、ぁ、でちゃ……でちゃぅ、です……っ」
外気に取り出されて丹念な愛撫を施され、あっという間に熱を帯びた昂ぶり。
射精を間近にしていっぱいいっぱいながらも侑月はビジネスマナーの基本である敬語を頑なに忘れない。
「あっ、っ……課長ぉっ……お目汚し、失礼しまっ……もぉ、いっちゃい、ます……っっ……!」
こんなつもりじゃなかったのに。
完全に目覚めてしまった。
「……う、うそでしょぉ、課長ってば、強引にも程がぁ……!」
夏セーラー服を乱した侑月は涙で満杯になった瞳を何度もパチパチさせる。
ダブルベッドの上で引っ繰り返されて、腰を掴まれて、四つん這いのポーズをキープされて。
ずり下ろされたボクサーパンツ。
太腿の間を物々しげに行き来するのは、紛うことなき、諸岡のペニスだった。
初めてお招きされた課長宅で、まさか素股プレイさせられるなんて、誰が想像できたよ……!!??
「君はどう見てもノンケだったし、いきなり本番をさせるのも酷だから……な」
これもなかなか酷というか、スケべにも程があります、課長!!
だって、課長の、なんかすごい青筋が……お、大きいですし……えげつない反り具合ですし……!!!!
「ひゃあ」
しかも、射精したばかりの自分のペニスに擦れる擦れる、滴っていた白濁のおかげでヌルヌル、ヌリュヌリュ、摩擦具合に拍車がかかる。
諸岡の先走りも追加されて、ピストンが潤滑になり、勢いが増す。
むちっとした睾丸もたんまり刺激されて、新たな興奮にハマり込み、侑月は甘い悲鳴を連ねた。
「ぅンン……っ……課長ぉの、おっきぃ……です……俺のに、めちゃくちゃ擦れて、やばぃっ……です……!」
こんなときも敬語を忘れない部下に上司は笑みを零す。
ワイシャツもネクタイも身につけたまま、スカートの下に潜り込ませた両手で張りのあるお尻を鷲掴みにし、より一層律動に励んだ。
ッ……パンパンって、音が……これ、なんか、ガチで……課長とシてるみたいな……。
侑月はシーツをむんずと掴んだ。
怖々と背後を仰ぎ、肩越しに諸岡を見つめた。
「あの、課長ぉ、その……先っぽだけなら……俺、我慢できます、多分……」
諸岡はピタリと一時停止に陥った。
代わりに、卑猥に湿り渡る侑月の太腿の狭間で一段とペニスを膨脹させた。
「ひっ……またおっきくなって……?」
「君は本当、よくできた部下だと思うよ、侑月君」
前髪ハラリな上司に褒められて、二度目の絶頂に近づきつつある熱源をピクンと反応させた、忠実にも程がある女装部下。
「ただ、もしもセックスに至ったとして、俺の方が先っぽだけで我慢できる自信がない」
これ以上ないくらい胸を疼かせ、全身が張り詰めている侑月に諸岡は覆い被さる。
セーラー服が乱れて腹チラ状態の部下の股間に利き手を伸ばすと、淫らに縺れ合うペニスに添え、共にしごき始めた。
「ぇっ? ぁっ……か、課長のと一緒にしごかれてっ……ん、ん、ん……っ」
「こんなに魅力的な君相手に先っぽを捻じ込もうものなら、きっと、根元まで捧げ切ってしまう……」
「か、課長のこんな大きいのが、俺のなかに、全部っ……?」
「君がやめてと願っても、止められないだろう……何回も奥まで打ちつけてしまうに違いない」
「お……奥までっ……課長に突かれ……っ」
ああっ、なんか今すぐ課長に奥まで突かれたくなってきましたぁ……!!
「初めての君に無理はさせられないから」
諸岡の多大なる気遣いに侑月は痺れた。
お尻処女のくせして、無謀にもほしがって……すっかり身を許している課長への入れ込みっぷりを思い知らされた。
「ん……!」
クチュクチュと先端を愛撫されて侑月は仰け反った。
熟しきった課長の頂きで裏筋をたっぷり刺激され、糸が引くまでに擦れ合って、一頻りしごかれて、腰から下をゾクゾクと波打たせた。
「ま……また、いっちゃいます……」
「いきなさい、侑月君。俺と一緒に……」
「あっ、あっ、課長ぉ……っ……でっ……でひゃぅ~~……!」
一度目よりも大胆に侑月は達した。
心許ないセーラー服の下で満遍なく肌身を火照らせ、よだれを垂らし、二度目の白濁を思いきり弾いた。
「あ」
自分のものではない、諸岡の白濁に下腹部が濡れると、溶けかかっていたアーモンドアイは蕩けた。
目も当てられないプリーツスカートの有り様に、今は恐縮する余裕もなく、課長と共有した絶頂感に心身ともに舞い上がった。
「課長ぉ……ご……ご苦労様でしたぁ……た、大変、勉強になりましたぁ……」
「ふ……。こんなときくらい、無礼講でいこうじゃないか、侑月君……?」
そんなの、恐れ多いです。
職場では真面目だけどベッドの上ではスケべで強引で、でも優しい諸岡課長。
俺が尊敬する、憧れの、恋に落ちたギャップ上司です。
end
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