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SUCK OF LIFE/ビッチ男受け

汗ばみ始めた体をシーツ伝いに無造作に引き寄せ、遠慮なく両足を開かせると、何とも耳に甘過ぎる溜息がベッドで上がった。 「まだ()れていないぞ」 仰向けになっていた浦瀬(うらせ)は俺の言葉に喉元を震わせた。 未だ白濁の纏わりついた唇が三日月の形に歪む。 矢鱈と卑猥な微笑に思えて、俺のペニスは奴に繋がる寸前で更なる硬さを得た。 「俺の肉を抉じ開けて奥まで入ってくるの、想像した……」 「急かすな。そんなに欲しいのか」 問いかけると、浦瀬は己の腕で自ら片足を胸元へ抱き寄せ、あられもない体勢となってまた俺に卑猥に笑いかけた。 「欲しい……早く来いよ……?」 明け透けに欲情した双眸が上擦った声と共に俺を強請る。 普段は無表情でツンとしているくせに、こういう時は切れ長な目元を色艶でふんだんに飾り、粘ついた視線を寄越してくる。 セックス依存症のこいつはこれまで何人もの男とベッドインしてきた。 俺の友人とだって経験済みだ。 とんだ性悪。 だが、結局は物足りなさそうな顔をして俺の元へ毎回戻ってくる。 こいつと重なって下半身が精液に塗れるまでふしだらに交わり続けて、欲深い夜にどこまでも溺れてみたかった。 最初に浦瀬を目にしたのはクラブのトイレだった。 個室でやればいいものを、洗面台に両手を突いて奴は後ろからタトゥーだらけの男に攻められていた。 浅ましい律動に身を揺らしながら喘いで、自分のものを扱き立てていた。 俺が入っても二人にやめる素振りは見られず、俺も平然と隣の洗面台で血に汚れていた手を洗い、すぐにトイレを出た。 一階のフロアが見渡せる二階のVIP席で友人らとビールを煽っていたら、クサ臭そうな群衆の中に奴の姿を見つけた。 流れるノイズ紛いの音楽に体を振り乱す客の合間を練って視線を彷徨わせている。 そしてその視線はおもむろに上へと移動し、ソファに踏ん反り返っていた俺へと柵越しに辿り着いた。 あの体にはきっとタトゥー男の精液がたっぷり溜まっている。 あれは健全な女には扱えない悪趣味な代物だろう。 しばらくして一人クラブを抜けた俺は、店の出入り口付近で退屈そうに突っ立っていた奴と顔を突き合わせる羽目になった。 「……」 無言で立ち止まってやると、奴もまた無言で俺を見つめてきた。 なかなか整った顔立ちだった。 つい一時間前までトイレで立ちバックしていたくせに、そんな卑しい一面を少しも感じさせない無表情ぶりに俺は呆れた。 「誰か殴った?」 唐突な第一声に俺は頷いて歩き出した。 斜め後ろを奴がついてくる。 歩道に不規則な靴音が鳴った。 「喧嘩?」 「まぁな。向こうが吹っかけてきた」 「あんた、セックスうまそう」 俺は歩みを止めずに肩越しに奴を顧みた。 相変わらずの無表情で奴は俺を目にしていた。 街灯のぼやけた明かりに照らされた、妙に瑞々しく薄赤い唇が、次の言葉をぽつんと吐き出した。 「したいな、あんたと」 病気持ちの人間には見えなかった。 ヤクをしている素振りもないし、俺は奴の誘いに乗った。 そのまま近場のホテルへ向かった。 奴は従順な飼い犬みたく淡々と俺の後をついてくるだけだった。 先にベッドに押し倒されたのは俺の方だったが。 「ふぅ……っ、ん」 軟体動物を思わせる器用な舌だった。 唇で唇を食みつつ、溶け合いたいと言わんばかりに舌尖を悩ましげに擦りつけてくる。 唾液で滴る口腔をわざとらしく鳴らして。 下肢を摺り寄せ、盛った犬のように奴は喉奥で甘えながら俺に跨ってきた。 俺は奴の服を破る勢いで脱がして裸同然にした。 半勃ちのペニスをもったいぶった手つきで握り締めれば、絶頂時さながらの声が降ってきた。 恥ずかしげもなく腰をくねらせて「動かして」と希い、切れ長な双眸を素直に快楽に濡らす。 その変貌ぶりは病みつきになりそうなもので俺は密かに息を呑んだ。 いや、すぐに言いなりになるのもつまらない。 まだ焦らしてこいつがどこまで犬に成り下がれるか見てみたい。

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