251 / 259

SUCK OF LIFE-2

「お前、さっき中に出されただろ」 なかなか動き出さない俺に痺れを切らし、自ら股間を弄り出そうとした奴を強引に止めて、俺は命令した。 「全部、今、ここで出せよ。空になったら突っ込んでやる」 ヘッドボードに横長のクッションを立てかけ、俺はそれに背中を預けた。 俺を跨いだままの奴は膝立ちとなって命令に即座に従った。 後ろ手で尻丘へと細く長い指を伝わらせ、肉襞の中央を刺激し始めた。 「時間が……かかる、二度出されたから……」 俺の肩に片手を乗せて膝と共にその身を支え、もう片方の手で生々しい水音を響かせる。 白い股の間を滑った白濁がゆっくりと溢れ落ちていく様は最高にいやらしかった。 半勃ちだったのが、茂みの中で隆々と屹立している。 先走りが先端をしっとりと湿らせていた。 「あいつは恋人か?」 「恋人……? 俺に恋人なんて……いない。強いて言うなら……これがそうかな」 卑猥に笑う双眸が見下ろしたのはジーンズを強かに押し上げる俺のペニスだった。 「セックスさえできれば……顔も性格も別に……どうだっていい」 言葉の合間に高らかな嬌声を発し、白濁に塗れた肉の狭間を掻く音も露骨に際立たせる。 俺は愉悦する。 こいつは突っ込まれたらどんな声を上げるのだろう。 奥深くにまで打ちつけたら、どんな顔で善がるのだろう。 「……確かに時間がかかるな、手伝ってやる」 矢庭に俺は熱もった体を引き寄せ、奴の手の上から無理矢理その中へと中指を捻じ込んだ。 「あ」 奴の背中が弓なりに反った。 俺は構わず細長い二本の指伝いに筋張った中指をぞんざいに出し入れした。 白濁の絡む感触を爪に覚える。 生温いそこはまだ余裕があり、もう一本指を追加すると、俺の腹部に当たる奴の性器がさらに濡れた気がした。 「ぁっ、もぉ……あ……っ」 腹部に雑に性器を摩擦させて勝手にイこうとするから一気に指を抜いた。 白濁が糸を引いている。 余程濃いのを射精されたらしい。 俺はもどかしげに呼吸する奴の口へ白濁塗れの指を突っ込んだ。 「綺麗に舐めたら挿れてやる」 上目遣いの視線を寄越して、奴は、俺の指を丹念にしゃぶった。 生温い舌の上を撫でてやると鼻にかかった甘い吐息を洩らす。 軽く歯を立てたり、根元まで唾液で潤したりして、まるで熱源にするように美味そうに奉仕してきた。 やがて白濁の代わりに唾液で濡れそぼつ俺の指を解放すると、奴は今まで俺が抱いてきたどの女よりも淫らに笑い、言った。 「あんたなら俺の恋人にしてやってもいいよ」 その日は夜明けまでセックスし続け、昼前、行きつけの薄汚い中華料理店で遅めの朝食をとる頃には奴は俺の恋人になっていた。   「は……ぁ」 屹立した自分のペニスの根元を掴んで狭間をなぞる。 強めに押し当てれば、肉襞が絡みついて容易に熱い中へ招き入れてくれそうだ。 生温い音を立てて奴の中へ硬く張り詰めた熱源を進めていく。 浦瀬は器用に腰をくねらせ、早々とその身の奥深くへ俺を導いた。 「ぁ……やっぱり、お前の……ッ、ぁ」 「俺が一番いいんだろう」 「……何回も……ッ、同じ事を聞くな、野暮……ン」 「悪かったな」 腰に腰を打ちつけると口元に歓喜の色が滲んだ。 小刻みな律動には切なげに唇を何度も開閉し、深く突き動かすと身を捩じらせて呻吟する。 滴る肉欲に手を伸ばして扱いてやれば自ら無心に腰を振り乱した。 「ここも勃起してるな」 身を屈めて勃ち上がった胸の突起に軽く歯を立てた。 噛み解すと先走りの量が増した。 隆起に這わせた五指にも流れ着き、滑りがよくなる。 俺は手の速度を著しく上げた。 「あ……っ、そんなされたら……イク……」 目尻が涙で潤んでいる。 何度もイかせてやりたいと思った。 どんな男にも導き出せない絶頂を与えてやりたいと。 「あ……!!」 深い抜き差しと扱き上げる手に浦瀬はその身を痙攣させて放精した。 俺は、間をおかずに射精したばかりの奴を荒々しく抱き起こした。 「これが一番奥まで来るだろ」 膝の上に乗り上がらせて形のいい尻を鷲掴みにした。 深々と肉の奥を穿たれた浦瀬は一瞬呼吸を忘れ、口角から下顎の辺りを一気に唾液で湿らせた。 「んっ、来てる……すごい……死にそ……う」 「セックスで死ねるなんて最高だな」 「……ああ……本当」 うっとりとした口調で呟き、俺にきつくしがみついてくる。 心底堪らなかった。 本当、このまま二人で死ねたら。 天国よりも素晴らしい場所へ行けそうな気がした。 俺は願ってやまない熱を抱き締めて浦瀬に口づけた。 奴は今夜も他の男とベッドを共にしている。 そうして、日付が変わる頃には体の奥底に似たり寄ったりの残滓を背負い込んでこの部屋を訪れる。 「あんたに抱き直されにきたよ、響介(きょうすけ)」 欲深い笑みと共に。 end

ともだちにシェアしよう!