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ゴーゴー催眠術-2
なんだこれは。
新手の拷問か。
大昔のテレビで見かけたようなとてつもなく古臭いやり方で、九条は、大真面目に五円玉を左右に揺らしている。
俺はある意味かなりのダメージを受けた。
イタすぎる。
イタすぎて思わず口を割ってしまいそうだ。
いやいや、我慢だ、我慢。
「だんだん眠くなる~眠く……」
ふと九条の言葉が中途半端なところで途切れた。
視線の先で彼はぼんやりとした眼差しでだらんと突っ立っていた。
やだこの人、自分で催眠術にかかっちゃったみたい。
首を伸ばして覗き込んでみても一切反応しない。
フリにはまるで見えない。
「九条さーん」
名前を呼んでみるとぼんやり俺を見た。
「貴方はこのロープを外したくなる」
俺に言われた通り、鈍いゾンビみたいな動きでやってくると、九条はあれだけ巻きつけていたロープを本当に外した。
さて、自由になった。
さて、どうしようか。
九条は明後日の方向を向いて棒立ち状態。
微妙に揺れているのが面白い。
いや、面白すぎるだろう、この展開は。
美形な九条サマが唇を半開きにして呆けた表情でいるのに性的興奮を覚えなくもない。
たちの悪いお遊びを思いついた俺は彼に囁きかけた。
「貴方は妊娠したくなる」
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