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温泉旅館若旦那<鶴>奮闘記-6
優生は嫌がった。
最初だけ。
「ぁ……ふぁ……ぁ……ぅ」
一回りも年上である男の両腕にきつく抱かれ、角度を変えては息継ぎも疎かに溺れるような口づけを繰り返されて、佐久真に宛がわれていた掌は次第に抵抗を失っていった。
ぎこちなく唇を開閉させて蛇のような舌先を口内に許して。
ぎゅっと、強く、しがみついてきた。
「は、ぁ……ぁ……ぅ」
薄目がちに見下ろしてみれば不要なほどの力を込めて瞼を閉ざしている。
痙攣する睫毛がいとおしい。
佐久真は膝上に抱き上げた華奢な温もりをもっと堪能しようと、手を、這わせた。
濡れたシャツを捲り上げて背筋を撫で上げる。
胸元に掌を押しつけ、ぐっと力を込め、か弱い突起をおもむろに潰す。
「や……っ」
自分の唾液を馴染ませた中指の腹で下から押し上げるようにして乳首に微振動を送り込む。
両方、そうしてやった。
「ひゃ……っぁ……っぁ……」
唾液の絶えないキスを続けながら脇腹に沿って片手を降下させた。
一段と柔らかな腹を撫で、そのまま、さらに下へ。
カーゴパンツと下着の中にまで。
恐らく薄いだろう色合いの茂みを五指に絡ませて、発熱しつつあるペニスを、緩く握り締める。
「お前」
「……え……?」
「経験、ないのか」
掌の熱にもどかしげに腹の底を燻らせ、優生は、佐久真にしがみついたまま浅く頷いた。
まだ死神の刃は届いていなかった。
ほっとした自分自身に佐久真は低く自嘲した。
「……あ、だめ、やだ……」
下肢を覗き込もうとしたら優生がもっと力を込めて佐久真にしがみついてきた。
「恥ずかしいから……やだ、見ないで……佐久真さん……」
優生は震えていた。
佐久真の利き手の中で幼さを引き摺る熱源は脈打ち、先走りをとくとく垂らし、自身の茂みに透明な蜜を散らしている。
しがみつく優生を引き剥がす真似には至らず、佐久真は、上下に利き手を動かした。
同時に指の狭間にこりっと膨らむ乳首を捕らえて緩々と摩擦する。
鮮明に色づく唇を隈なく濡らす。
「は……んく……っんぅ……んんんっっ」
手探りで皮を剥いてやる。
露出し立ての亀頭ごと強めにしごいてやる。
「んんぅ……っぁ……んっ……ぁっぁっぁ」
口づけを解いたら少女じみた声音でか細い悲鳴を奏でた。
控え目ながらも腰を揺らしている。
佐久真はしごく速度を上げた。
「あぁんっ……佐久真さ……っぁ……もぉ、きちゃう……」
濡れそぼつ割れ目を親指でくちゅくちゅとなぞっていたら白濁が一気に弾け散った。
「ぁぁぁぁ…………っっ」
佐久真の膝上で射精した途端、優生は、虚脱しかけた。
しがみつくのも困難となり、佐久真の体を伝って板間へ崩れ落ちそうになる。
初めて他人に絶頂を教えられて陶然と極まる彼を佐久真はすぐそばに横たえた。
「は……はぁ……ぁ……はぁ……」
捲られたシャツ、ずり下ろされた下肢の服。
はっきりした色味に彩られた胸の突端。
芯をなくした性器がまだ途切れがちに白濁蜜を弾いている。
ほしい。
貫きたい。
奥まで自分のもので満たしたい。
佐久真は優生に覆いかぶさると蘇生のキスを施した。
ぼんやりした世界から現実寄りに戻ってきた少年は、こめかみに涙を伝わらせ、そっと目を開く。
「……佐久真さん……」
佐久真は木目の粗い板上に投げ出されていた優生の手をとると自身の股間へ導いた。
すでに熟している隆起の硬い感触に優生は何度も瞬きする。
「怖いか」
佐久真の問いかけに優生は首を左右に振った。
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