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温泉旅館若旦那<鶴>奮闘記-7

見る間に暗くなった山中を白い稲光が執拗に過ぎった。 同じく暗さを増した拝殿の片隅、佐久真が脱いだシャツを下にして、優生は。 「あ、あ、あ……佐久真さん、の……ほんとに……こんな奥まで……」 腰と腰が密着するまでの深い繋がりにぼろぼろと涙を零していた。 「痛い、けど……安心する……あつくて……」 下肢に広がるざらりとした茂みの感触が肌に伝わり、優生は、身を捩った。 途方もない圧迫感に佐久真はろくに動いてもいないのにすでに息を切らしていた。 蠕動する肉膜がペニスを押し包むように張りついてくる。 動いていないのにしごかれているようだ。 「……あん……っんんぅ……っ」 開かせた両足の膝頭を掴んで固定し、ゆっくりとした抜き挿しを行う。 五年間の服役、そこで男相手と経験がある佐久真は。 腹側に潜む性感帯に擦れるようにして肉巣内でペニスを動かした。 「あ……!」 「……感じるか?」 「わ、わからな……あっでも……そこ……へん……っあ……やぁっ」 ひたすら苦痛を堪えているだけだった優生の反応が徐々に変わっていく。 萎えていた熱源が芯を取り戻し、薄い茂みの中央で蜜を滴らせながら勃ち上がる。 ペニスを押し包む肉巣の温度と締めつけが増す。 「お前のなか……気持ちいい、優生」 前に上体を倒した佐久真は一思いにぐずぐずに壊してしまいたい欲望を殺し、短い呼吸を反芻する優生の髪を梳くと額にキスした。 こんな真似、誰にもしたことがない。 「……ほんとう……?」 体の奥底を行き来する佐久真のペニスを何よりも近く感じて優生は涙ながらに笑う。 「うれしい……佐久真さん」 ほしい。 誰にも渡したくない。 俺のものにしたい。 「……ん……っ」 その感触に飢えて再び口づける。 しごくように舌先も交わらせて唇でもセックスし、短い振り幅で後孔奥深くに隆々と屹立したペニスを突き入れる。 何度も何度も。 音を立て、蜜汁を垂らし、貫く。 刻みつけるように、覚え込ませるように、激しく擦りつける。 「ぁ……っあん……っあっあっ……佐久真さん……佐久真さん……」 優生は優生で佐久真の全てに我知らず痕をつけた……。 あまり得意じゃない飴玉を口に含んだ。 甘ったるい、せめて薄荷にすればよかった。 「優生」 今や若旦那として「篭もりや」を導く優生を丁度人足の途絶えた旅館隅で呼び止める。 優生は振り返った。 その唇にすかさず佐久真は口づけた。 尖らせた舌先で飴玉を優生の口内にそっと押し込む。 「飴玉、好きだろ?」 優生ははにかむように微笑し、舌の上で飴玉を転がした。 疲れを癒してくれる甘味をもっと堪能したくはあったが。 「お仕事中なのでごめんなさい」 結局、口の中にキス伝いで飴玉を押し戻された佐久真なのだった。

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