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秘湯!触手温泉で長風呂孕みえっち!/触手×大学生

公平(こうへい)は一人でぶらりと温泉旅行に出かけることが好きだった。 新卒ながらもうまくいかない就職活動に疲れ、息抜きにと、以前にも行ったことのある旅館を予約して軽自動車を数時間飛ばしてみれば。 「え、食中毒!?」 今晩宿泊するはずだった旅館が食中毒を出して営業停止を食らってしまい、寂れた温泉街の片隅で公平はしばし途方に暮れた。 せっかくここまで来たんだし引き返すのも勿体ないかな。 どっか別の旅館、探してみるか。 どうせなら初めてのトコにしてみよっかな、えっと、アソコとアッチは泊まったことあるし、あの辺りも風呂だけは利用したことがあるし……。 湯煙漂う鄙ひなびた温泉街、公平はすいすい車を走らせて今夜の宿をのんびり探す。 そうしていつの間にか温泉街の外れまでやってきてしまった。 一見して建物は見当たらず、山深く人影もなく、公平は適当なところでUターンするかと、さらに奥へ車を走らせて。 「おっ?」 フロントガラスの向こう、鬱蒼と生い茂る木々に隠れるようにして建つ旅館を見つけたのだった。 「いらっしゃいませー」 「すみません、予約してないんですけど」 「あ、そうなんですかー?」 「お部屋……空いてますか? 泊まれます?」 Yシャツにネクタイ、法被を羽織った狐目の番頭は苦笑いしている公平を上から下までじろじろ見回した。 「……やっぱり無理ですよね、すみません、失礼しま、」 「いーえ、どうぞどうぞ、お客様」 狐目の番頭はそう言ってにんまり笑い、公平の手荷物をささっと受け取ると、無人のフロントへ誘った……。 案内された部屋はこぢんまりとした和室で清潔感があり、窓からは広葉樹林に一面覆われた山肌が見えた。 お茶を淹れて一息ついた公平、座椅子に踏ん反り返って思い切り背伸びをし、運転で強張っていた体の関節をぽきぽき鳴らした。 『こちらは情報誌にも記事を載せていない、フェイスブックもツイッターもしていない、それはそれは知る人ぞ知る旅館なんですヨ』 い草の香り放つ畳に寝転がった公平は番頭が言っていたことを思い出す。 『お風呂はもちろん源泉かけ流し、朝でも昼でも夜でもお好きなときにどーぞ』 「早速行ってみるか」 日の沈みかけた夕暮れ、窓の外で茜色が藍色に犯されていく時間帯、浴衣に着替えた公平は大浴場へ向かう……。 かぽーん…… 誰もいない大浴場、とろみある白濁したお湯に浸かった公平は頭にタオルなんか乗っけたりして贅沢な一人占めを堪能していた。 照明は控え目、薄暗く、おひとりさま女子ならば気後れすること間違いない。 しかし新卒男子の公平はまるで臆すことなくリラックスモード、仕舞いにはうとうと、船をこぎ始めた。 かぽーん…… はぁ……癒される…………zzzzz……。 ぴちゃーん…… 本格的に居眠りを始めた公平は気づかない。 白濁したお湯が歪に波打ち始めたことに。 UMA系パニック映画にはありがち、まるで水面下ぎりぎりまで何か恐ろしいものが迫っているように、ゆらゆらゆらゆら、揺れていた。

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