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【狼】君を喰らわば永遠まで/狼×青年
鬱蒼とした森の中、飢えを持て余した彼は本日のメインディッシュを探していた。
出逢うのはガキやら年寄りやら。
オードブルにもならない。
雑に味見して食べ残しは配下どもにさっさとくれてやり、さて、運命にも感じられるような至高の食事にありつけないかと嗅覚を尖らせて木々の狭間を駆け巡っていたならば。
見つけた。
それはそれは食指をそそる、五臓六腑を満足させてくれそうなご馳走を。
「嫌だ……っやめ……!!」
昼下がりの森の静寂に紡がれる痛々しげな悲鳴。
重なり合う深緑の葉と葉の隙間に覗く、それは紛れもない禁忌。
落ち葉の吹き溜まりに打ち倒されているのは年若い青年だった。
由緒正しい家系に生まれ落ちた貴人。
父親に命じられて二年前より始めた狩猟。
千鳥格子柄のハンティングジャケットやベスト、ツイードのズボンといった着衣は慈悲なき爪と牙によって引き裂かれて。
白昼でも冷ややかな外気に曝された双丘に深く重なった、大柄ながらもしなやかな巨躯。
歪に揺れ動く毛深い腰。
長い尾が幾度となく翻る。
「あーーーー……っっ」
十九歳の青年は赤毛の狼に犯されていた。
黒々とした太く硬い肉杭によって強引に抉じ開けられて仮膣を荒々しく貪られていた。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
こんなの夢だ。
従者と猟犬は怖気を震うまでに殺気立つ狼の出現に怯え、青年も同じく恐怖したものの、彼らを逃がすため祖父から譲り受けた立派な猟銃を果敢に構えたのだが。
予想を超えた迅さでかわされた銃弾。
あっという間に隔たりは無に帰して打ち倒された。
真上に迫られ、美しいほど残酷に煌めく金色の眼と牙を間近にした瞬間、死を悟った。
しかしまさかこんな。
獣に凌辱されるなんて思いもしなかった。
「ぁ……っああ……っやめ……っあ……っあ……っ」
……獣に感じてしまうなんて……。
平らな舌で幾度となく舐められて唾液をすり込まれ、びっしょりと温んだ後孔、これまでにない露骨な刺激を浴びせられて恐怖と裏腹に勝手に昂ぶった下半身。
ペニスまで嬲られた。
ざらついた舌端が纏わりつき、先端を、裏筋を、双球をも満遍なく濡らされた。
淫らな悪夢じみた愛撫の末に肉杭を打ち込まれた。
獣男根で奥の奥まで蹂躙される。
容赦なく激しく穿たれる。
苦しいのに、怖いのに、嫌なのに。
燃え上がるように滾っていく体。
女を知らない純潔だった身でありながら獣に犯されて萎えるどころか罪深げにより膨れたペニス。
「どうして……っ嫌だっ……嫌だ……っ」
青年は手元の落ち葉を握りしめた。
止まらない涙。
自分自身への罪悪感と絶望感で昂ぶる体と反対に朽ちていきそうな心。
「いっそ……殺せ……っ……もう殺してくれ……」
片時も速度を緩めずに無慈悲に動いていた狼は金色の眼をおもむろに細めた。
狂おしいほどの締めつけで肉杭を抱き、搾り上げるように細やかに収縮している仮膣に、舌なめずり。
青年の哀願を嘲るように加速した律動。
堪らず悲鳴を迸らせて身悶える様を見つめ、熱く蠢く肉壁の狭間で獣男根を巧みにしごかせて。
青年に種付けした。
結合部が泡立つまでの子種をたっぷり注ぎ込んだ。
涙で濡れ渡っていた青年の双眸が見開かれる。
我が身の奥底で猛々しく打ち震えながら精を放つ肉杭に戦慄した。
「あ、あ、あ……いや、だ……こんなっ……あぅ……う……」
狼に延々と種付けされながら、絶望の余り、虚脱した……。
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