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召しませ不良くん-2
昼を食べるのも忘れて子犬に夢中になり、久々なハイテンションの後にやってきたのは強烈な眠気。
「ん……」
周は拾ってきた子犬のタローと床に寝転がっていつの間にか眠っていた。
濡れた制服のままブランケットに包まって、ひどくなってきた雨音に妨げられるでもなく、スヤスヤしていたのだが。
「ッ……くしゅん!」
体が冷えてクシャミをし、その拍子で目が覚めた。
「……あー……さみぃ」
「ご主人様、だいじょうぶ?」
……あ?
……なんでウチにうざ委員長がいんだ?
「ご主人様、タロー、いい名前、名前くれて、ありがと、ね」
……なにこいつ、なんかばかになってねぇ?
……てか夢だよな。
……ウチに犬耳はやした委員長がいて、いっしょに寝てるなんて、夢以外のなんでもねーよな。
「タロー、ご主人様、好き、好き」
夢でもきもちわりぃ!!
「あっち行けよ、委員長、ッ、て、あれ、あれ!?」
やたら邪魔くさそうな、乙ゲーのキャラみたいに妙に凝った風な長い漆黒の前髪をわしっと掴んだ瞬間。
そのリアルな感触に周はギクリとした。
え、これ、夢だよな?
「ご主人様、ぼく、タロー」
黒い服を着て黒い犬耳を生やした、鴉の濡れ羽色の髪に、冴え冴えと整った顔立ち、仄かに色づく唇。
顔を強張らせた周を覗き込んで嬉しそうに微笑む、彼は。
「ぼく、犬神、人、どっちの血も、はいってる」
なんだよ、マジでこいつタローなのかよ、これって夢じゃねぇのかよ?
つーかなんで委員長似なんだよ!!
「ご主人様、ご主人様」
「お、重てぇ、タロー、乗っかんじゃねぇよ」
「クーン」
うわッ、犬耳ぴょこぴょこしてやがるッ、くそかわ!
でも顔は委員長ッ! こんなん拷問じゃねぇかッ!!
「てかなんで人間に、な、ッ、ッ、!?」
タローにぶちゅっとキスされた周。
哀れ、初キス、喪失。
「タロー、御主人様と、交尾、交尾したい、交尾、交尾!」
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