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孤島の半鬼-3
指の狭間で内部の粘膜が外気に曝され、湿った、温かそうな肉がひくひく収縮しているのが視覚にも見て取れた。
早くほしいと言わんばかりに蠢く肉襞。
雄々しいミノタと比べれば、まるで雌じみた華奢なペニスも、すでに勃起していた。
ミノタの毛深い両手がぐいっと腰を掴んだだけで九門は声を上げた。
「あぁぁ……ん……」
巨大男根の先端がアヌスにくちゅりと触れただけで、先走りをどっと溢れさせて。
自らの指で押し拡げた尻穴を、拳大の亀頭がさらに四方へ無慈悲に拡げると、たちまち背筋を強張らせて。
くっきり段差あるカリ首でアヌス自体の皮膚をぬちゅりと捲り上げられると、また、声を上げた。
「あ、あ、あ………早く……早く奥まで……おかしくなる……っ」
ミノタは九門に従った。
掴んだ九門の細腰を、自身の腰へと、いざなった。
巨大男根が根元まで一瞬にして肉膜奥に突き刺さった。
「あ…………!」
九門は、それだけで、達してしまった。
一瞬の躊躇なき凶行にペニス先から精液が弾け飛ぶ。
シンクに点々と白濁の雫が飛び散った。
「あ……っはぁ……っあぁ……っ」
だが、本番は、これからだ。
ミノタはがっしり掴んだ細腰をぐるりぐるりと、円を描くように回す。
巨大男根が肉膜のどこかしこにも刺激を刻みつける。
次から次に溢れ出る獣汁がアヌス奥をびしょ濡れにする。
今度は細腰を前後に揺らめかせた。
股座から猛然と勃ち上がった巨大男根が白い尻の狭間をロングストロークで行き来した。
「あぁぁ……っいい……っ奥、いい……ッ」
精液で濡れそぼつ雌ペニスをすぐに回復させて九門は善がる。
結合部から飛び散る獣汁が内腿や尻たぶをとろとろと伝い落ちていく。
細腰を揺らしながらミノタも勇ましく律動を始めた。
九門はひんやりしたシンクにしがみつき、己をしごく余裕もなく、ただ我が身をミノタに捧げた。
「あ……これ、もっと奥まで……ッ」
片足をぐいっと持ち上げられ、片足立ちとなったところを、激しく突かれる。
斜めからアヌスを攻められてまた新たな領域に巨大男根が及ぶ。
ムスクの香りで誤魔化していた獣臭が濃さを帯びてきた。
獣の性を完全に取り戻したミノタ、挿入を解かぬまま、九門をゆとりあるシンクに向かい合わせで乗り上がらせると。
白い両足を左右に限界まで押し開いて腰を振ってきた。
「あ……っんぅぅぅん……」
肉膜の深奥を小刻みに執拗に拳亀頭で連打される。
射精して濡れそぼつ九門の雌ペニスは腹部にまで反り返り、新たな粘液を浅ましくたらたらと噴き零し続けている。
ミノタの黒々とした下肢の剛毛が滑らかな肌にざらりとした感触を与える度、さらに興奮した。
同じく興奮しているミノタは九門の着ていたシャツを有り余る力で引き裂いた。
引き千切れたボタンが音を立てて付近に転がる。
肉厚の長いタンが象牙色の肌を這い回り、乳首を蹂躙し、首筋を舐め上げ、唇を犯した。
喉奥まで弄られて九門の口角からしとどに唾液が溢れ出た。
「んんんん……ぁふ……ぁっ、っぁ、ミノタ……出して、お願い、ちょうだい……? お前の子種……奥まで叩きつけて……?」
快楽で蕩けきった双眸と獣の眼の視線が重なる。
ミノタは片方の足首を肩に担ぎ、片方の膝頭をがしりと掴み、猛然と加速をつけた。
突き破りそうな勢いで肉膜奥に連続して巨大男根を打ちつけた。
「あぁぁぁぁ……ん…………!」
背筋を仰け反らせて九門は上擦った悲鳴を上げた。
まるで放水するように巨大男根が大量精液を噴射してくる。
どぷどぷどぷどぷ、途切れることなく、しばし射精される。
半月、禁欲していた末の解放だった。
「あぁ……っ……きて、る……っ……ん……お前の、たっぷり……ぁっぁっぁ……ぁ……」
二度目の射精を迎えた雌ペニスは九門自身の唇にまで雫を飛ばしていた。
びくびくと腹部が波打っている。
虚脱気味でありながらも、九門は、そっと己の腹を撫でた。
「子宮はないが……お前の子種、何だか愛おしいな……」
そう囁いて微かに笑った。
「あの、博士」
「なんだ」
「どこから聞きつけてきたのか、大手広告会社がミノタさんをイメージモデルに起用したいと言ってきてるんですが」
「広告? 起用? 焼肉店の宣伝か何かか?」
「いえ、メンズのアンダーウェアだとか」
「それ、多くの一般男性が自己嫌悪に陥ることになりやしないか?」
時同じくして、ミノタはぶほぉぉっと派手なクシャミをしたのだった。
end
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