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とらとらとら!-6
自分は虎の姿のまま、一人だけ人間の姿に戻ったツカサ。
忘れていた不安がぶわりと蘇って、心細くて、僕を置いていこうとする息子を無我夢中で引き留めて。
気が付けば交尾していた。
我に返れば元の姿に戻っていた。
「ご、ごめん、ツカサ」
「……」
「痛かったよね、僕、どうかしてた、ツカサ……」
ツカサはぼろぼろ泣きながら僕のことをじっと見つめてきた。
怒っているに違いない。
「本当にごめん、許して、ツカサ、」
「親父ぃ……」
ツカサは小さなこどもみたいにしがみつくように僕に抱きついてきた。
「……よかったぁ……今度こそ、元に戻んねぇかもって……俺、このまま食べられんのかな、って……よかったぁ」
「ツカサ」
「親父ぃ……おとぉさん……」
僕の胸に顔を埋めてしばらく泣いていたツカサは、ふと、顔を上げると。
僕の唇にキスを。
ツカサの唇はしょっぱい涙の味がした。
「……シたい、親父」
「ッ……でも、ツカサ、つらかったよね? 痛かったよね?」
「それは……親父が虎だったから……」
僕から少しだけ離れたツカサ、すでにボタンが全開だった詰襟をすとんと肩から滑り落とした。
左肩がうっすら赤いシャツに僕は息を呑む。
「手当てしないと」
「……後でいい……シたい」
「でも、ツカサ、」
「ちゃんと親父が元に戻ったって、俺……ここで感じたい」
そう言って、ツカサは、自分のお腹をそっと撫でて……。
**
畳の上に雑に敷いた布団の上で俺は親父とせっくすした。
「んっ……む……んんっんんんん……っ」
親父に正面から跨って、ぎゅって抱きついて、どっちも座ったまんま。
虎でいる時には絶対叶わない体位で、いっぱいキスしながら、尻穴の奥いっぱいにカチコチを迎え入れて。
優しく、ゆっくり、いっぱい突かれる。
きもちいい。
きもちよすぎて、安心して、却ってどうにかなりそうな。
「きもち……いいよぉ……ふぁぁ……あん……」
親父が着たままでいるパジャマをぎゅっと握りしめて心の底から甘えた。
「ツカサ……可愛いね」
「……おとぉさん……」
「傷……見せてくれる? 見てみるね?」
どうしても気になるみたいだ、親父はゆっくり繰り返していた動きを止めて、俺のシャツのボタンを全て外すと肩だけを露出させた。
「……よかった、そんなにひどくないみたい」
甘噛みではなかったけれど思い切り噛まれたわけでもなかった、もし本気で牙を剥かれていたらこんな出血じゃ……済まなかったはずだ。
「……でも、やっぱり早く手当てした方が……」
親父、なかなか動き出してくれない。
こんなに硬いのに。
俺の奥でこんなに発熱してるのに。
傷を気にする親父のことを待てなくて、もどかしくて、我慢できなかった俺は。
自分から動いた。
「え、ツカサっ?」
「……おとぉさんが、動いてくれないから……っん……っぁ……」
「ツカサ……」
ぎこちなく、ゆっくりゆっくり、前後に腰を振る。
あ、親父の、俺の奥でぴくぴくしてる……。
あ、ここに擦れたら……もっと、いい……。
「は、ぁん……っあん……っここ、当たるの、すごくて……あ、あ、ん……どうしよ……腰、とまらな……っんにゃぁぁ……んっ」
虎の名残りでつい鳴いてしまった俺に親父は眼鏡の奥で目を見張らせた。
「っ……、ツカサッ」
腰を掴まれて、ぐるぐる、回される。
俺の尻奥が親父のアレで満遍なく擦られる。
「みゃっぁんっみゃぁっうみゃっみゃっ」
「は……ツカサ……可愛い……」
「んみゃぁっ!」
傷口をそっと優しく舐められた。
消毒されながら、ぐりぐり、ぐりぐり、すごく奥をじっくり擦り上げられた。
「んみゃぁ……っみゃぁぁん……っ」
「ツカサ……もういきたい?」
「……んみゃ」
「……わかった、じゃあ、いかせてあげるね」
腹にくっつきそうなくらい勃っていた、先走りでぬるぬるになっていたちんぽを、先っぽを搾られるみたいに、しごかれた。
声も出ないくらいの快感に痺れた俺はビリビリしながら仰け反った。
ぐりぐり、ぐりぐり、されながら、くちゅくちゅくちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ、された。
「は……っぁ……! んーーー……っ!」
「ツカサ……僕も……いっていい?」
ちょっと苦しげに眉間に皺を寄せた親父に問いかけられて、ろくに声が出せない俺、コクコク何度も頷いた。
「はぁ……っツカサ……っツカサ……!」
「んんんーーーーーー……っ!!!!」
座ったまんま、下半身をべちゃべちゃにして、俺と親父は……キスしながら……いって……またキスして……動いて……動き合って……いって……。
*一年後*
「グルルルル」
「また虎になったのかよ、親父、しょーがねぇなぁ」
「わしに刃向うからじゃ!」
「あ、いい加減魔法解けよな、ごみじじぃ」
「あらまー、大丈夫?」
塀にしがみついて道路から得意げに庭を覗くごみじじぃをとりあえず睨んでおき、お鍋を持ってやってきたお隣さんに心配された俺は、言った。
「もう慣れたし平気だよ」
そしてぱくぱく腕に甘噛みしてくる、愛する虎親父を、力いっぱい抱きしめた。
あったけー、俺の親父、最高だ。
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