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ご主人様はペット希望!?-8

ほのかなバターの香りがふわりと漂う秘められた戯れ。 夜、総合病院の外科部長である父親、デザイナーの母親が不在の有栖川邸にて、その秘密の戯れは行われていた。 「あ……ん、とけちゃぅ……あん……」 シングルベッド、真っ白なシーツの上でバスローブを乱した玲。 その下半身に頭を落としきったアンジェラ。 かつて、雄々しく、しなやかで、鋭く研ぎ澄まされた五感を擁する大型犬の姿で。 長い厚い舌でふんわり溶けたバターをたっぷり吟味していたアンジェラ。 短く息を吐きながら、尻尾を緩やかに左右に振り、ナイショの秘密を御主人様と共有していた。 今は。 「……バター味の玲、久し振り……おいしい」 玲と同じ人間の姿でまろやかな味のする戯れに夢中になる全裸のアンジェラ。 バターがとろりと滴るペニスをせっせと舐め啜る。 時に深くむしゃぶりついては溢れ出る雫ごと飲み込む。 どんなに尽くしても尽くし足りない御主人様を心から味わう。 「あぁ……ん、アンジェラぁ……もぉ、ちょぉだい……?」 「玲、ほしい……?」 「ほしぃ……アンジェラの、おれのおしりに……突き刺して……?」 「いっぱい、ほしい?」 じゅるじゅると吸っていたペニスを吐き出し、唇から唾液の糸を垂らしたままアンジェラは玲に覆いかぶさった。 痛いくらい屹立していたペニスの根に片手を添え、物欲しげにヒクヒクしていた蕾孔にゆっくり捻じ込んでいく。 ぬぷ、ぬぷ、肉の奥へ。 熱塊で尻膣を押し拡げ、隙間なく満たすように、ずぷずぷ、奥へ。 「っ玲……っ玲のなか、すごい……っぎゅって……搾られてるみたい」 「……もっと搾ってあげる」 自分と同じ十代である体、滑々した肩に両腕を、脇腹に両足を絡みつかせて玲はおもむろに腰を揺すった。 蕾孔の奥で愛情たっぷりじっくりしごかれるペニス。 肉粘膜にギチギチと挟み込まれ、玲の体底でさらに硬く熱く張り詰めてしまう。 「はぁはぁ……玲……っ」 頬を舐められたかと思えば唇まで。 上下ともにぐっしょり濡らされた。 自分の唾液で湿っていた口腔にアンジェラの唾液がぬるぬる広がっていく。 アンジェラは玲に口づけながら腰を打ちつけてきた。 あられもないバター塗れの肉芯が打ちつけられる度にぷるぷる震える。 膨張ペニスの抽挿に蕾孔が卑猥に捲り上がった。 「あっ締まる……っこんな締められたら……僕、もうっ」 「アンジェラ……っおれに種付けして……っあ……おれのなかで、はちきれそ……っアンジェ……っきて……? 早くきて……!」 「んっ、あとちょっと……ッもぉ、ちょっと……ッふーーッふーーッふーーーー……ッッ!!」 「あっっっ」 ッ、どくん……ッ……!! 「玲も……ッ玲もだして……ッ」 御主人様の蕾孔にどっくんどっくん生種付けしながらアンジェラは二人の狭間で濡れ勃っていたペニスをがむしゃらに愛撫した。 「あんっそんな……っ激しくされたらッ、ッ、あーーーー……ッッ!!」 互いに注ぎ合った玲とアンジェラ。 「……玲、玲……ずっと……大好き……」 「……おれも……アンジェラ……ずっといっしょだよ?」 「元に戻ろう、緒賀君」 夜更け、一階リビングで丸まっていた、アンジェラにINした狂也が顔を上げれば。 バスローブを着込んで微笑む玲と制服姿で真剣な表情をしたアンジェラが立っていた。 「わん」 「思えば緒賀君のおかげでアンジェラとお話ができて。もちろん元の姿のときだってコミュニケーションは成立していたけれど、やっぱり同じ人間だと……ねぇ、アンジェラ?」 「うん。玲。言いたいこと、わかる」 しゃがみこんだ玲は狂也の頭をそっと撫でた。 「緒賀君には何度も痛い思いをさせてしまうけど、元に戻るためだから、我慢して……え、緒賀君?」 あれだけ病的に慕っていた玲の愛撫からすっと逃れた狂也。 尻尾がお腹の方にくっついている。 「こら。緒賀。怯えるな。男らしくない」 「わぅぅっ」 「あ、逃げた」 「アンジェラ、手荒な真似はしないで?」 しかし余りにも緒賀が屋敷内を全速力で逃げ回るため堪忍袋の緒が切れたアンジェラは。 「ぎゃわーーーーん!」 「アンジェ、緒賀君!」 強硬手段、潔く覚悟を決め、疲れて遅くなった狂也に飛びついて共に階段を激しく転げ落ちた……。 快晴、土曜日、昼下がり。 住宅街外れに造られた会員制のドッグランへ玲は遊びにきていた。 「いいお天気だね、アンジェラ」 様々なわんこ達が飼い主と思い思いに寛いだり遊び回ったりしている。 「ほら、あんなに楽しそう。ほんの少し前まで怖がっていたのが嘘みたい」 「ほんとだ」 玲の隣にすっと立つ……狂也にINしたままのアンジェラ。 そう。 一人と一頭は元に戻らなかった。 ただ階段を転げ落ちて痛い思いをしただけで中身はそのまま。 困ったことになってしまった、はず、だった。 「玲。どうしたら戻れるかな、僕と緒賀」 深刻そうな表情でいるアンジェラに反して玲は……どうしても顔が綻んできてしまう。 ごめんね、緒賀君……本当はおれ、こうしてアンジェラと触れ合える時間がもっとほしかった、だから……とっても嬉しいです、本当、ごめんなさい。 「うん。いつか戻るんじゃない?」 「玲。てきとー。ちゃんと考えて」 「うん。おやつ、後でみんなと食べようね」 「玲ってば」 一方、狂也本人の心境はというと。 犬すんげぇぇ!風すっげぇきもちいーーーー! 人間でいた頃よりも割と健全になってわんこライフを伸び伸びと満喫していた。 「よぉ、アンジェラ、じゃねぇ、クルヤに改名したんだっけ?」 「そーだよ、ライル! 俺クルヤ! また競争しよーぜ!」 「よっしゃ、乗った、今日こそ俺に勝ってみろよ?」 ドッグランの看板犬、黒シェパのライルとわんわん語で会話して上機嫌の狂也。 しかも桜ノ神が御主人様という最高のポジション、わんこライフにどっぷり浸かる気満々のようだ。 end

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