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冥土喫茶はじめました-3
二人は、二体は、人に非ず、牛頭馬頭 というこの世ならざるもの。
地獄で亡者を見張る恐ろしい獄卒番人。
乙女中年の名残りを残す服は無残な残骸と化してその足元に落ち、現れたるは獣臭漂うマッスルハッスルボディ、筋肉、筋肉、とにかくガチ筋肉。
その頭部は正しく獣の牛と馬。
荒々しく硫黄の匂い含む息を吐き散らし、血走る眼をぎょろりとひん剥かせ、何物も何者も容易く噛み砕く臼歯をがちがちがちがち不規則に鳴らす。
「きゃあああああ!!!!」
強盗は悲鳴を上げて裏口から飛び出していった。
信樹は完全に腰が抜け、悲鳴も上げられずに、ぶるぶるぶるぶる。
お、お、お、おばけだ、いや、よ、よ、よ、妖怪?
蹄を鳴らしてやってきた「うまうし」さんを信樹はぶるぶるぶるぶるしながら見上げた。
すると。
「……信樹君、驚かせてすみませんね」
「……ん」
乙女中年の頃とまるで変わらない、それは優しげな小さな声に、信樹は目を見張らせた……。
「人間界でセカンドライフを楽しみたいと思いまして……」
「セ……セカンドライフ?」
「私達は獄卒として……定年を迎えたのです」
「……はぁ、定年……」
「ゆっくり、のんびり、誰も苦しめず、誰も罰さず、誰の頭も叩き割ら……とにかく、静かに生活したいと思い、この店を始めたのです……」
「……ん」
「そ、そうだったんですか……」
「決して人間に正体を知られてはいけないと、上層部に言われ……もし知られた場合は頭を叩き割ら……」
「え?」
「いえ、でも信樹君は……この店の大事なアルバイトですから……秘密にしてくれたら、命は……とりませんから」
「もちろん秘密にしますよ!」
「……よかった……それに、信樹君は……大事なアルバイトであるのと同時に……私達の大事な……大事な……」
「……ん」
「え?」
「大事な……大事な……大事な人ですから……」
「……え……?」
真夜中の「うまうし亭」で牛頭馬頭は久方振りのディナーに耽る。
前菜もメインディッシュもデザートも、すべて、食されるのは信樹だ。
「うまうし」さんの逞しい両手で一気に素っ裸にされて、余すことなく、吟味される。
牛頭馬頭の超絶巨大男根で尻穴の奥の奥まで。
好青年の瑞々しい裸体が際どすぎる禁断交わりに頻りに止まることなく大きく波打つ。
「信樹君……君のなか……最高です」
優しいか細い声音とは裏腹、馬頭はタテガミを翻し、一振り毎に勢いよく信樹の雄膣を突き上げる。
凶器に等しい超絶巨大男根を限界まで捩じ込んでは肉奥を貫き、また屈強なる分厚い腰を引いては最強カリ首で激しく擦り上げる。
「ブルルルルルッッ……!」
牛頭馬頭が交代し、牛頭から背面騎乗位でずっしんずっしん超絶巨大男根を打ちつけられた。
大量の我慢汁がローション代わりとなり、より奥まで牛頭ペニスがぐんぐん滑り込み、深奥を穿たれた。
「ンモォォォオッッッ!!」
肛門奥まで突き刺さっていた牛頭ペニスがぶるるるるんっと振動したかと思うと、怒涛の勢いで迸った、牛頭精液汁。
濃厚なる地獄のスペルマが信樹の奥底を一瞬にしてどろっどろに。
牛頭ペニスが引き抜かれたかと思えばすぐに戻ってきた馬頭ペニス。
精液塗れの肉穴奥を未だギンギンに勃起中の超絶巨大男根で引っ掻き回される。
仕舞いには二本挿しまで……。
柔な男子学生だったならば失禁失神ものだっただろう。
だが、割と体を鍛えているほうの信樹なので、夜更け近くまで、牛頭馬頭と、激し過ぎる運動この上ない交わりを続けて。
翌日の「うまうし亭」は臨時休業、店内清掃に明け暮れることになった。
「すまないね、信樹君……なにせ久し振りで、つい……」
「ん……」
長椅子に横になってモップ掛けに勤しむ「うまうし」さんを眺めていた好青年・信樹は腰痛に苛まれながらも爽やかな笑顔で明るい声を。
「とびきり美味しい飯とコーヒーつくってくれたら許してあげます! ……いて」
その頃、くだんの強盗はとある事故に巻き込まれ、地獄行き決定、現役獄卒番人に頭を叩き割ら……。
「そういえばあの強盗、捕まったんですかね?」
「……さぁ、どうかな」
「……ん」
さも弱々しげな貧弱中年の「うまうし」さんは地獄の炎を脳裏に馳せてひっそり笑う。
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