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左手が触手のハニー/触手×恋人

公平の恋人は左手が触手だった。 「こんなの気持ち悪いだろ」 長めの前髪で表情を隠した恋人は抑揚のない声で言う。 公平は恋人に抱きついて答える。 「俺にはお前だけだから」 生活感のないマンションの一室、ベッドしかない寝室。 滑りを帯びた無数の触手達。 サイズは大小様々だ。 普段は手に擬態し、日常生活を難なく過ごしている。 服を着たままの恋人に跨った全裸の公平。 長袖シャツの左袖口から伸びた触手達は愛しい裸体にたかっている。 戯れに虚空で両腕を緩く縛り上げ、蛇のように巻きついている。 一本一本が粘液を帯び、公平の肌も隈なく滑り、触手が触れる度に、にちゃにちゃ、ねちゃねちゃ、と音が立つ。 顔の正面で鎌首を擡げれば、公平は唇を大きく開いて自ら二本の触手を迎え入れた。 「ん……ぅ……く」 甘えるように喉奥で声を滲ませた、薄目がちな公平の唇奥を、無味なる肉色の触手はゆっくりと蝕む。 挿入時と同じピストンを繰り広げる。 緩んだ唇をずぶずぶと行ったり来たり、唾液をぴちゃぴちゃ掻き混ぜ、舌粘膜にじゃれついたりする。 触手の丸みある先端がイソギンチャクのように細かに分裂したかと思うと、すでにべとべとになった乳首に纏わりついてきた。 「んんっっ」 公平は胸を反らした。 もっと蹂躙してほしい、とでもいう風に。 その欲求を汲み取った分裂触手は胸の突起を一斉にくすぐり始めた。 ぴりぴり感じるのは極僅かながらも含まれている毒のせいだ。 人体にまるで影響はなく、ただ、ぴりぴりとした刺激を覚えるくらいで。 軽い電流を流されているようなその刺激が堪らない。 「んっんぅっんっんっ」 びくっびくっ、頻りに揺れる公平の肢体。 まだ触れられていないペニスはいつの間にか勃起し、触手の纏う粘液とは別の、カウパーなる愛液で濡れていた。 分裂触手が露出された亀頭にそっと這う。 ぴりぴりぴりぴりっ 「んんんんんっっ」 唇奥を延々とピストンする触手に嬌声を塞がれ、代わりに止め処なく唾液を下顎へ滴らせて、公平は恍惚とした表情を浮かべた。 乳首とペニス、微電流じみた刺激を同時に送られて、背筋がぞくぞく痙攣した。 「ん……ん……」 もどかしげに腰を揺らしながら公平は恋人を濡れた眼差しで見下ろした。 相変わらず表情を隠した恋人は、ベッドに仰向けに寝たまま、自身の触手によがる公平を前髪越しに見上げた。 ぬるるるるるる…… 虚空で縛り上げられて膝立ちとなっている公平の尻に触手が一本、伝う。 太めのそれはひくつくアナルを目指す。 別の触手で太腿を緩々と左右に割らせると、背後から、ぐっと、アナルに密着してきた。 粘液のおかげで、ずぶずぶずぶずぶ……狭苦しい孔へ難なく滑り込んでいく。 「んぐぅぅ……っ」 触手に囚われた公平の体が一段と跳ねた。 触手はペニスを真似て公平のアナルを浅く深く犯す。 公平のペニスと乳首をぴりぴりと刺激しながら、肉粘膜の狭間を、激しく、荒々しく。 「んんん……っはぁ……っぁ、ぁっ、ぁっ……すごぃ……」 ずるりと口腔から触手が這い出て、公平は、女のように陶然と喘いだ。 「あ、あ……もっと……もっと奥までほし……っ、奥に……っ、奥まで……っ……な……?」 公平の両足がさらに押し開かれた。 四つん這いに近い格好で、両腕は頭上に囚われたまま、高々と突き上げさせた尻に。 太触手が無情なまでのピストンを繰り広げる。 「ひぁ……っ……あっあっあっ……!」 そして狭い熱い肉粘膜の奥で。 太触手は分裂した。 ぴりぴりぴりぴりぴりぴり 「あーーーーー……っっ……!!」 直腸に直に送り込まれた刺激に公平は甘い悲鳴を上げた。 愛液で濡れそぼつ我が身を複数の細触手にしごかれて、狂いそうになるほどの快感に四肢を痙攣させる。 触手達が脈打ち始めた。 視覚でもわかるまでに、どくんどくん、怒張して青筋を浮かべる。 先端部分にある、普段は閉ざされている口が開き始める。 「ああ……っだして……お前の、おれにだして……」 そして、触手達は、一度に噴射した。 白濁した大量の触手液を公平に浴びせた。 後孔奥にもどぷりと注ぎ込まれる。 体の中も外も、触手の白濁に、染まる。 「あ………………」 連続する絶頂感にぶるっと震えて、公平もまた、自身の種を放出した……。 茜色の夕焼けの下、公平とその恋人は近所のスーパーへ夕飯の買い出しに出かけた。 真っ赤な空に光る銀色の三日月。 「綺麗だね」 公平はそう呟いて恋人の左手をぎゅっと握った。 end

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