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カモン犬神様!!-2
「クソッ……やめろーーーー……ッッ!!」
魔獣の巣に捕らわれた夕や。
恐ろしい異形たちはインバネスと学生服を爪や牙で引き裂くと華奢な少年を嬲り者にする。
長い舌を持つものたちは後孔にぬぷりと舌端を埋め、奥まで突き刺し、腹が蠢くほどに掻き回して。
触手あるものたちはか細い肢体に一斉に集り、巻きつき、口腔を喉奥まで犯し、乳首を虐げ、怯えて萎えた性器を弄繰り回し。
昆虫系のものたちは擬態ペニスをつくると、子種を注いで孕ませようと、夕やに迫った。
「あ、あ、いやだ、いやだーーーー……!!!!」
暗黒なる絶望に涙ぐむ双眸を見開かせた夕や。
そのときであった。
グァルルルルルルルルゥゥッッッ
美しい漆黒の毛並みを靡かせて巣穴に現れた奴愚丸。
猛々しい唸り声を轟かせ、牙を剥き、爪を尖らせ、強き気高き犬妖は主人に群がる魔獣たちを瞬く間に蹴散らした。
建ち並ぶ集合住宅の一室にて。
魔獣に陵辱され、虚脱寸前でありながらも我が身にしがみついていた夕やを住まいに運んだ奴愚丸。
押入れから器用に布団を咥えて引っ張り出し、六畳和室にばさっと広げると、そこに夕やを寝かせた。
「ん……」
夕やの意識はまだはっきりしない。
服はボロボロで、露出した肌には魔獣の粘液がべたりと付着している。
さすがにタオルで拭うのは無理であり、奴愚丸は、色鮮やかな長い舌で自ら夕やを清め始めた。
壮絶な目に遭わされた主の夕やを労わりつつ隅から隅まで拭う。
耳元から顎のライン、首筋から鎖骨を辿り、胸元、虐げられて赤く腫れた乳首を舌尖でゆっくり撫でていく。
巣穴でずっと萎れていた夕やのペニスも。
べろり、べろりと、綺麗にして、そのまま睾丸、後孔まで、舐め続けた。
「ん……いや……」
布団の上で夕やが切なげに身を捩じらせたかと思うと。
やっと彼は現に目覚めた。
「あ、奴愚丸……餌の時間か、悪い……」
緩慢な仕草で起き上がろうとした夕やを前足で押し留めた奴愚丸は。
聡明な鋭き眼を意味深に細めて清めの奉仕を再開した。
「あ……ん、奴愚丸……こら……だめだろ」
口では拒む夕やだが。
巣穴で全く反応を示さなかったペニスが徐々に硬くなっていく。
平らにした舌で内腿や後孔をしつこく舐め回されると、仰け反って、甘い吐息を洩らした。
「んっ……やめろ、奴愚丸……」
それでも拒む夕やに、奴愚丸は、グルル……と小さく唸った。
「今のオレ、あいつらの体液で汚いんだ……綺麗な奴愚丸のこと、汚しちまう」
そう言って夕やは奴愚丸のフサフサした体を押し退けようとした。
ぽすんっ
それでも奴愚丸はまた夕やを布団に沈めた。
完全に夕やに覆いかぶさり、驚いている少年主人の唇を舐め上げた。
夕やは潤んでいた目を見開かせた。
「……奴愚丸……んっ」
瑞々しい唇に集中して奴愚丸は夕やを舐めた。
まるで口づけるように。
「ん……んん……ん」
くすぐったいような、じわじわと下肢を蝕む刺激を唇に一身に受けて、夕やはつい足を閉じた。
だがすぐに奴愚丸の前足が伸びてきて開かされてしまう。
仕舞いには両足の間に割って入ってきて、まるで、正常位のような体勢に……。
「あっ」
夕やはびくりと身を震わせた。
勃起した自分の熱源が奴愚丸の獣男根に触れた瞬間、電流じみた快感に貫かれた。
包皮のない、全体が生々しい肉色をした獣男根に亀頭が僅かにでも擦れる度、言いようのない興奮に犯される。
鋭い奴愚丸はすぐに主の異変に気がついた。
胴体を揺らし、一気に大きく成長した獣男根を少年主人の純潔に強めに擦りつけてくる。
「あ・う・ぅ……っん、これ……変……変になる、奴愚丸……」
夕やの熱源から溢れたカウパーが獣男根を濡らす。
しばし戯れを続け、少年主人の愛液で先端をたっぷり濡らした奴愚丸は、とうとう中へ入ってきた。
「ぁ……ぁ……ぁ……」
夕やはきつく目を閉じ、奴愚丸の真下で喉を反り返らせ、頼りなげに震えた。
閉ざされた肉の狭間をぐっと抉じ開け、ぐっと奥へ呑み込ませて、布団に前足を突いた奴愚丸は。
低く唸ると、挿入初期段階で、いきなり射精を始めた。
「えっ? あっ、そんな、もぉ……? ま、待て、どぐまる……っあっあっあっ……!」
射精と共に腰を突き動かされる。
速やかに体内に満ちてくる獣の迸り。
まるで主自身にマーキングするような。
「あ……ん、ずっと、どぐまるの……あったかいの……出てる……」
奥を貫かれたまま、延々と激しく射精されて、肉壁に叩きつけられる飛沫の凄まじさに夕やのか細い肢体はビクビク痙攣しっ放しだった。
「オレ、男なのに……どぐまるの赤ちゃん、孕んじゃいそ……」
許容範囲すれすれの際どい刺激に涙しながらも、夕やは、奴愚丸に健気に微笑みかけた。
奴愚丸が体内でさらに獣男根を大きくさせ、射精の勢いが増すと、微笑は掻き消えてしまったが。
それでも夕やは奴愚丸に囁きかける。
「いいよ……オレに奴愚丸のぜんぶ……ちょうだい……」
「「キューンっ」」
「まさか本当に奴愚丸とのこどもが産まれるなんて……しかも双子……こんなの聞いてないぞ」
「「ままっ」」
「しゃ……しゃ……喋った……」
自分と夕やのこどもだ、喋って当たり前だ、みたいな顔をして呆気にとられている夕やに擦り寄る奴愚丸。
見た目は完全にワンコ、産まれて早々「キューンっ、ままっ、ままっ」と揃って鳴く双子に夕やは……胸をズキュンと射抜かれる。
「ああクソ、親ばかになりそうだ……胸が苦しい……って、胸から何か出て……」
「「ぼくらのおっぱい!!」」
「……オレ、こんなの聞いてない……」
「グルルルルルルル」
夕やと奴愚丸に頼もしい味方なる家族も増えた、首都ミヤビはきっと彼らによって魔界の穴から末永く守り抜かれることだろう。
end
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