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満月の夜は別の顔-2
「ああ……っ係長……」
斐川は乱れたベッドの上で甘い悲鳴を上げる。
シャツの第一ボタンも開けず、ネクタイもきっちり締めたままの彼の下半身は靴下以外何も身に纏っていない。
裸の腰に重なるは狼係長の下半身だった。
全体的に黒い毛並み、短い毛はもっふもふのもっこもこで、完全なる成体の大きさ。
腹の辺りは特にもふもふもこもこで、うっすら白がかっている。
鋭い眼は薄闇を射抜き、険しそうに鼻頭に皺を寄せていた。
「はぁ……係長の……一番奥まで来て……」
斐川は狼係長と交尾の真っ最中だった。
這い蹲って腰を突き出すという屈辱的なポーズをとって、最愛なる獣上司に自ら後孔を差し出したのだ。
狼係長は立ち耳をさらにぴんと尖らせ、ふわふわ尻尾でぴしゃりと虚空を打ち、部下に乗っかってきた。
いつもぼんやりしていてデスク上のお茶をしょっちゅう零していた係長からは想像のつかない獰猛な動き。
荒々しく唸り声を上げ、斐川に猛然と腰を打ちつけ、ベッドをけたたましく軋ませている姿は立派な雄そのものだった。
斐川の腰を固定するように太い前脚で抱え込み、背中に顎をくっつけ、肉膜を無慈悲に押し上げては狼ペニスを擦りつけてくる。
先走った体液が満遍なく肉壁に浴びせられる。
「んっ……係長……あっ、あっ、あっ……今夜も、すごぃ……っ」
汗ばむ全身を頻りに揺らしながら斐川は色っぽい顔つきで紛うことなき嬌声を迸らせた。
剥き出しとなった尻の窪みに潜む蕾孔は肉色の狼ペニスでぎちぎちと無残に拡張されながらも、悦んでその奥深くまで蹂躙を受け入れた。
斐川のアナル内で獣男根はさらに逞しく膨張していく。
堪らない斐川、時に大胆に腰をくねらせては自ら摩擦を強めたりもした。
「あ……っあ……っいっ、いく……もぉ、出っ……っ私っ……いっちゃいます…………!!!!」
狼係長に激しく突かれながら、斐川は、速やかに勃起したペニスから約一ヵ月溜め込まれていた精液を派手に解放させた。
下腹部から胸、下顎にまで、ねっとりした濃い蜜液が飛び散るほどの絶頂っぷりだった。
斐川が達したからといって狼係長が一息つくことはない。
「あぁぁぁぁ……っ係長も……係長もいって……? 私のナカで……っ熱いの……っ思う存分、だしてください……っ」
シーツを手繰り寄せて身悶えながら斐川は懇願した。
狼係長はぴくりと耳を震わせる。
ちゃんと見えているし、聞こえている。
普段はクールな部下がよがりまくって射精しろとせがんでいることを理解している。
狼係長は裂肉歯を露出させて一際剣呑に唸った。
「グルルルルゥゥウゥゥウ!!!」
「あっ、あっ、あぁぁぁぁーーー……!!!!」
白濁した子種汁の怒涛噴射が始まった。
まるで斐川を孕ませるかのように狼係長は手触りのよさそうなふかふか短毛を逆立て、蕾孔奥に獣精液を注ぎ込んだ。
「ひぅ……係長の……すごく熱いのが……あっあっ……私のナカに……ん……あっ……いく……っ」
際どいまでに膨張した獣男根をこまめに蠕動する胎内でしごかせ、斐川は狼上司につられてまたも射精した。
糸引く特濃白濁でシーツの一部がしとどに濡れた。
「んぁ……っぁ……ぁん……ひぃぁ……ぁ……ぅ……っ」
びくっびくっと狼に捕らわれた獲物さながらに斐川の全身は痙攣した。
狼係長の射精時間はえらく長い。
浅ましい肉欲で理性が溶け落ちた斐川は、また、緩々と腰を振って膨張獣男根を肉膜狭間で搾り上げようとする。
「あ……あ……ん……係長ぉ……」
ずれ落ちた眼鏡をかけ直す余裕もなく、清潔感もどこへやら、涙と唾液で顔を汚した斐川は子種汁が注ぎ込まれる度に自身のペニスからシーツへ白濁の糸を伝わらせた。
「係長のあかちゃん……できちゃぃそぉです……」
黒毛の狼係長は部下のできちゃうかも発言に心なしか鋭い眼差しをふわりと和らげたのだった。
「係長、やっぱり最高です、これ」
斐川は恋する乙女のように恥じらいながらも嬉しそうに微笑んだ。
「この枕、誰にも貸さないでくださいね?」
斐川の頭を腹に乗っけて横になっていた狼係長は「グルル」と唸る。
ふかふかもこもこ天然枕に斐川はうっとり夢見心地だ。
フルムーンの度、狼上司にこうして完全に骨抜きにされるクールビューティー部下なのだった。
end
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