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第22話

「……っヒサヤ、なに? …っ」 暗闇の中… 顔もはっきり見えない、見知らぬ黒い人影に触れられているようで… ぞっと恐怖心が沸き起こる。 満は必死に久弥だと思い直し、その心を隠すが… 身体は微かに震える…。 「…抱きたい、お前を…」 (…抱きたい…) 久弥が、前に僕に言った言葉…久弥の望み… 「……ヒサヤ」 叶えてあげなくては…久弥の為に。 本当は恐い…凄く恐いけど。 「…ん」 浅く頷く満。 「…ミツル」 久弥は囁いて満の身体に覆いかぶさるようにし、左肘を地面について満の髪に触れる。 右手の指は胸の小さな突起を捉え微かな刺激をあたえていく…。 「っ…ヒサ、ヤ…」 息をついて身体の力を抜こうとする。 けれど…満は、どんなに力を抜こうとしても心とは裏腹に身体が強張ってしまう… 暗闇を紛らわすために瞳を閉じるけれど…恐怖心は増すばかり… そんな満の姿に触れて久弥は… 「…ミツル、力を抜いて…」 弛緩させるように首筋へキスを落としながら静かに囁く久弥。 「…うん、…ごめんなさい」 震えるような小さい声で謝る満… 「…ミツル」 怯えたような満の声に動きを止める久弥… そして触れていた手を静かにひく… 「…ヒサ、ヤ?」 満は動きをやめた久弥をみて…不安なまま名前を呼ぶ…。 「…ごめん…」 小さく呟く久弥、そっと満の頬に触れる… ピク…と小さく反応する満。 微かに震えている… 「…怖かったよな」 そう続けて呟く久弥、ひどく後悔した様子で…。 「っ…こ、怖くない…ヒサヤ…」 それは嘘だったが…満は久弥の望むことを叶えたい一心で伝える。 そんな満の心遣いは、久弥の心に痛く伝わる…。 (これでは…ミツルを強姦しているのと同じだ…) 感情に流されて、満の気持ちを無視していた自分を情けなく思う久弥…。 満をそっと抱き起こし、そのまま優しく抱きしめる…。 「ヒサヤ?」 「大丈夫…もう怖いことはしない…」 耳元で囁く久弥。 満は首を振って… 「ヒサヤ…続けて、怖くない…ヒサヤのしたいように…」 そう願うが…。 「…ミツル、いいから」 いつもの優しい久弥が、そっと口づけしてくる。 「…ヒサヤ、ごめんなさい‥」 きっと自分の態度が久弥の気分を損ねてしまったのだ…と、満は何回か、俯いて謝る。 「……」 そんな満の可愛い姿を見て… 身体の中心が熱くなるのを抑えられない久弥。 「ミツル、手を…」 久弥はズボンのファスナーをおろし、熱く猛っている自分のソレに満の指を充て絡める…。 「あっ…」 満は、その感触に声を漏らす。 久弥のソレは満の手のなかで、熱を帯びてトクントクンと鼓動を打っている。 「…俺の気持ち、ミツルを感じてる…」 久弥は囁いて唇や頬にキスを落とす。 「ヒサヤ…」 熱く波打つ久弥に触れていると…自分が今までに感じたコトがない感情の高まりを感じ…顔を赤らめる満。 心臓の鼓動が重なり久弥に反応するように、満のソレも感じて気持ちを帯びる。 満は思わず自分のたちあがったソレを、久弥に触れていない手で覆い隠す。 「…ぁ」 追って久弥の指が布ごしに触れてきたので… ビクっと、身体を震わせる。 「ん、ぁ…いや」 久弥は、さらに満のズボンのファスナーを下ろし…下着のなかへと指を進める。 「…どうして?」 イヤイヤと顔を振る満を、責めるでもなく、優しく聞く…。 「……はずかしい」 ポツリと答える満。 触れている久弥の隆々としたモノは、満のソレとは比べものにならないくらい大きくて…満は堪らなく恥ずかしくなってしまう。 (触れてほしくない…恥ずかしいから…)

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