65 / 87
流れゆく日々 25
所変わってここは小さな居酒屋。
サラリーマングループが大半を占めるなんの飾り気も無いこの店で、一見普通の『カップル』に見える二人がいる。
「んもうっ、愛理だけが女じゃねぇ!!」
拳を挙げ、涙ながらに絶叫する忍。
そうかと思えば、
「ねぇ紫苑もそう思うでしょ?ボクだって愛理のこと愛してたんだよ?」
今度はめそめそと泣き出す。
紫苑が呆れながら適当に聞き流していると、
「あー!!他人事だと思って呆れてるな?!紫苑トコだって気ィつけないといつそーなるかわかんないんだからねー?!」
今度は絡む。
「わかった、わかりました、だから今日はもうそろそろ…」
及び腰の紫苑に忍はますます手がつけられなくなる。
「何言うかーッ!今日はとことん付き合うって言っただろーがぁ!!次行くぞ次っ!」
ともだちにシェアしよう!