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第7話
けれど、朔はそれでいいと思っていた。
朔にとって明が世界の全てだ。
幼い頃、自分のすべては明のものだと教えられた時から、ずっとそうだった。自分の血を常に求める明が可愛くて、愛しかった。自分達はやっぱり、元々は1つの個体で、離れられないのだ。それは、なんてステキなんだろうと、朔は思った。
そして、明と初めて最後まで繋がった18の時。
『食物』としてではなく、『自分自分』を求められたように思え、朔はとても満たされたのを覚えている。
朔は、明を愛していた。
家族として。双子の弟として。
自分を隷属させる者として。
そして、それ以上に自分を捧げる相手として。
肉欲と拗れた執着を伴って、愛していた。
ーーーたとえ、明が同じように、自分を愛していなくても。
離れることは出来ないのだから。
それは、なんてステキなことだろう。
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