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5.仕掛けるなら甘い罠 11
軽く目を細め、僕の唇が千秋の唇に触れた。
それと同時にもっと深くと、舌で千秋の唇をなぞり、こじ開けるようにして割り入れ千秋の舌を捕まえる。
「…………っ……ン……」
一瞬だけ千秋から声が漏れた。
きっと反応しないように必死になっているんだろう。
こういうとこ、ほんと可愛い。
僕は千秋の舌を捉えて絡めて、角度を変えながら口内を舐めとっていく。僅かに跳ねた腰を抱きかかえ軽く舌に歯を立てながらなぞり、根元から扱くように吸い上げた。
クチュクチュと音が響くなか千秋の力が少しずつ抜けてきたのわかる。
次第に体重を僕に預けて寄りかかられるような感覚に高揚感を覚えながら、あっと言う間に10秒が過ぎて唇を離すとお互いの舌がツーっと糸を引きながら離れていった。
そして頬を赤らめた千秋の下半身が目に入った瞬間、僕はニヤリと笑う。
その中心部をなぞるようにして触れば……。
今日は千秋を帰さない。
「なんで、勃ってるんだろうね?」
すると千秋自身も自分の変化に気付いていなかったようで途端に戸惑い焦り始めたけど、僕がその中心を優しく撫でると可愛い声をあげた。
「ん…ぁ……さ、触るなっ……」
「こんなに明確に反応しちゃってるから、僕の勝ち」
「そ、そんなはずない」
「自分でもわかってるんだろ? なんなら直に見てやろうか?」
するとかぶりを振りながら拒否する。
そしてまたぐるぐると表情が変わりだした。
ほんと、可愛い。
もっと鳴かせたい。もっと可愛がりたい。
前後不覚になるまで、気持ちよくさせてあげたい。
あの日のことが鮮明に思い出されてドキドキと胸を高鳴らせる。
僕の中は湧き上がる欲望に支配されていた。
こんなこと初めてだ。
だから、僕はなにやらいろいろ考えているであろう千秋の耳元で囁くように言う。
僕の声が確実に千秋の中へと響くように。
「これ降りたら、約束通りに家に連れて帰るから」
ビクッと震える千秋の体。
「……お前の家に行くのかよ」
「そうだよ。何? 千秋の家に連れ帰ってくれるの?」
「バカなこと言うな。でも、家の人とか……」
意外と律儀なのか逃げ道を探しているのか。
でも安心して誰にも邪魔はさせないから。
「両親は昨日から2泊3日の温泉旅行に行ってるし、姉貴はこれ見よがしに外泊してるから家には僕だけ」
するとまた千秋は百面相になった。
それにしても一体何を考えていたらあんなに表情がくるくると変わっていくのだろうか。
そんな千秋の表情を眺めながら目を細めていると、観覧車は地上に戻ってきた。
「さ、行こうか」
観覧車を降りるときから手を引いて、そのまま遊園地を後にする。
そして、そのまま僕の家へと向かった。
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