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6.溺れてしまえばいいのに 7
僕だけの千秋にしたい。
誰にも渡したくない。
あんな女になんか、絶対に渡したくない。
目の前の千秋を独占したい一心で、千秋の腰を強く掴みながら気付けば自然と口にでていたんだ。
「あんな、女……やめとけよ」
「な、んだよ……んっぁ」
千秋は一瞬険しそうな顔をしたが、打ちつけによりまた快楽で歪んだ。
もっと僕でいっぱいにしたい。何もかも僕から感じて欲しい。
「あんな女やめとけ……損得で動くような女……君に相応しくない。あの女は僕目当てで、振った君が惜しくなっただけだ。千秋の良さもわからないやつに千秋はもったいなさ過ぎる。だから……僕にしとけよ」
胸が締め付けられる。
僕なら千秋を幸せにできる。
何故だかわからないけど絶対的な自信があるんだ。
ただ千秋に僕を選んで欲しいという思いが心を沸騰させるような気がした。
こんなに真剣な時って今までにあったかな。
どうしても伝わって欲しくて千秋の中に自身を埋めたまま腰の動きを止めて千秋に訴えかけるように見つめた。
「僕がずっといるから。好きなんだ、千秋。だらか僕にしなよ…───」
必死で千秋に向き合っていると、なぜか千秋がまた眉間にしわを寄せた。
そして次の瞬間、僕の頭の後ろに手を回したかと思うと強引に引き寄せられる。
「新藤……ちょっと、だまれ…っ」
何をしようとしてるのか読めなくてきょとんとしていると、千秋はまた眉間のしわを深くして僕の目を見た。
そして絞り出すように声を出したんだ。
「もう、やばいんだ……はや、く…なんとか……しろ…っ」
そう言って千秋に引き寄せられた次の瞬間……。
───…キスされた。
どくんっと胸がしなる。
一瞬驚いたが、千秋からのキスが嬉しくて唇を離すことなく激しく律動を再開した。
わかった。なんとかしてあげる。
溶けてしまうくらいに。僕しか考えられないように。
そして、僕に溺れてしまえばいいのに。
本能のままに突き上げればまた悲鳴にも似た喘ぎ声をあげて千秋がしがみついてきた。
「はっ、あ…あぁっっ」
千秋の体がビクビク震えだしたのと同じころ僕もイきそうになって、一緒にイきたい気持ちが高まる。
「千秋…僕、もうイきそう……」
「あぁ…っ、んぁ……っっ」
自分も、とでも言うように千秋の中がぎゅっと締まって僕のを締め付ける。
そして僕が最奥を貫いた瞬間に千秋の体は今までで一番痙攣して大量の白濁を腹の上に放った。
「んぁぁ、あぁぁ────っ」
「…………くっ……」
その締め付けによりほぼ同時に、僕も千秋の中に欲望を吐き出したんだ。
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