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10.切なくなるほど可愛い人 7
こんな日が来るなんて、夢みたいだ。
「あっ、んっ……しゅ、修平……っン、ふぁっ」
「そんな切ない声で呼ばないで。僕、持たなくなるから」
千秋にはかなわない。いつか名前で呼んでくれないかなっていつも思ってた。
千秋を振り向かせたいと日々思う反面、叶わない夢のような気がしてどこか非現実的だった。
だからこそ名前を呼んでくれたならきっと天にも昇る気持ちになるだろうって……、そう思ってたんだ。
僕の気持ちはもう掴まれてしまってどうしようもない。
鷲掴みにされた僕はどんなに優位に立っていても君の一言でどうにでもなってしまう。
僕は君の前ではとても無力だ。
そう感じるくらい好きでたまらない。
それくらい愛しくてたまらない。
千秋が切なくなるほど可愛くてたまらない。
激しく奥へと突き入れながら、内壁を擦るようにして千秋の弱い部分を攻める。
「あっ、あっ……んぁ……」
深いところを突くたびにとろけきった中をうねらせながら甘い声が漏れて、それがあまりにも綺麗で。
千秋がしがみついてくれることで、もっと千秋のことを感じたりして。
その仕草、言葉、眼差し全てが宝物のように感じる。
もう、一杯過ぎて溢れそうだ。
「千秋、好きだよ」
溢れるくらいの千秋への思いを囁けば千秋の中はますます甘く窄まり、キスをしながら激しく腰を打ち付けた。
「……っふ、んぁっ……あっ、修平……っ、ンッ」
びくびくとのたうつ千秋の体を抱きしめながら、背中に千秋の爪がたてられるのを感じて、僕を離さないで欲しいと思った。
だって僕も君を離したくないから。
「千秋、もう離さないから……」
「しゅ、へぇ……あっあぁぁッ……」
見つめあい微笑むと、千秋の全身に力が入る。
そのまま腰を両手で掴み、少々乱暴に突き上げてしまったが、止められなかった。
「修平……しゅ、へ……あっ……あぁぁぁぁ──ッ!!」
わななきながら縋るように僕の首に手を伸ばすので、抱きしめながら激しくキスをした。
ぬるぬるになった千秋の先端を律動に合わせてしごくと千秋はたまらないとでも言うようにかぶりを振る。
濡れた音がひどくなり、何度も奥を付くと千秋の脚が痙攣し始めた。
「いく、また、あ、ああ……しゅ、へ……いく……っ 」
しゃくりあげ体を仰け反らせた千秋が声をあげ、2度目の白濁を放ったのとほぼ同時に。
その締め付けで、もう限界。
「…………くっ……」
僕も千秋の中へ欲望の全てを吐き出したんだ…───。
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