はだけた胸元に手を入れたまま、体を入れ換えて慈恩を後ろから抱き抱えると、俺がすでに兆(きざ)しているのに気付いたのか、慈恩は焦ったように身じろぎをして、下半身を俺から離した。 それならば代わりにと、上半身をしっかりと抱きしめ、ついでに目の前にあった小さめの耳をべろりと舐めてやると、慈恩は「ひっ」と引きつった声を上げた。 その声を無視して、小さな耳を舐めしゃぶり、穴の中に舌を差し入れて出し入れするように動かせば、慈恩の吐息が甘さを帯び始める。 耳の裏に舌を這わせ、そのまま綺麗に髪を剃り上げた形の良い頭に唇を這わせながら、両手で胸の尖りをつまめば、慈恩は細く声を上げた。 俺の手によって慈恩の躰が少しずつ熱を帯びていくのに気を良くしつつ、慈恩の帯をほどく。 殴られてもびくともしない俺の固い腹とは全く違う柔らかな腹を撫でた後、下帯の上から股の間のものを探ると、それはすでに下帯をうっすらと濡らすほどに張り詰めていた。 下帯をほどき、直(じか)に触れば、それはすぐに淫らな水音を立て始める。 そのほっそりとしたものを握り、固く大きく育て上げる行為に夢中になっているうちに、ふと慈恩の唇が絶え間なく動いていることに気がついた。 耳をすませて聞いてみれば、慈恩がつぶやいていたのは経であった。