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第4話

思わずかっとなって、体を入れ換えて慈恩を正面から組み敷き、その唇を塞ぐ。 経を唱える余裕などなくすほど、散々に口腔を嬲ってから、ようやくその唇を解放すると、俺はまだ口吸いの余韻から抜け出せずぼうっとしている慈恩に告げた。 「経など唱えても無駄です。  この世にもあの世にも、仏などいないのですから」 俺の言葉に、慈恩ははっと我に返って反論する。 「御仏はおられます」 「いるはずがないでしょう。  もし本当にいるのならば、どうしてあなたは宮中ではなく、このような鄙びた山寺におられるのですか。  どうして、私のような下賤の者に、その尊き身を好き勝手にされているのですか」 問いかければ、慈恩は言葉に詰まってしまった。 それをいいことに、俺は答えを待たずに体を起こして、慈恩の両脚を掴んで大きく開かせ、その間の勃ち上がったままのものを、己の口の中へと迎え入れた。 「いやっ……」 慈恩は焦ったような声を上げて俺の頭を押しのけようとしたが、そのうちに俺の口腔が与える快楽に抗えなくなって、抵抗をやめてしまった。 それを見計らって、俺は(たもと)から油を入れた容器を出して、その中身を指でたっぷりとすくい取り、その指を慈恩の後ろの蕾にゆっくりと押し込んでいった。 もう幾度も俺に蹂躙されているそこは、指の一本などたやすく飲み込んでいく。 指だけではなく俺自身を受け入れられるようにその中を押し広げながら、時折悦いところをこすってやれば、慈恩はその度に細い声を上げる。

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