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第51話

 寮に戻ると時刻はまだ、3時過ぎで寮内は閑散としていた。千紘は真っすぐ自室に戻りとりあえず休憩しようとベッドにゴロンと転がった。なんだか、この週末は須藤に甘やかされて至れり尽くせりの生活をしたせいか体がなまっている気がした。たった一日程度のことなのに自分一人の時間がないことはかなり疲れることだなと思った。そして、この体のだるさは発情期が近いことも表しているような気もする。今は朝、飲んだ薬が効いているので大丈夫だ。一週間は薬を飲み忘れないように気をつけないと……  千紘はベッドから起き上がって課題を済ませてしまうことにした。机にむかいテキストを開くとさっきまでうだうだと考えていたことが嘘のように勉強に集中できた。  次の日、いつものように食堂に向かうとすでに隆也がきていて千紘を見つけて手をひらひらと振っている。  「もう、戻ってきてたんだ。どこに行ってたんだ?」  「友達の所。お昼過ぎには帰ってきた。課題が終わってなかったから。」  「そうなんだ、千紘が友達の所に泊まるって珍しいよな。」  そう言いながら隆也はさっさと食べ終わって今日も朝練へと急ぎ足で食堂を出て行った。    「おはよう。高梨くん。」  いつの間にか隣の開いた席にトレーを置きながら稲葉先輩と神津先輩が座ろうとしていた。  

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