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第52話

 「おはようございます。」  千紘は朝ごはんのスクランブルエッグを食べながら稲葉先輩をみた。この人はいつも笑顔で笑っているけど目は笑っていないよな。そして隣の神津先輩の方を見たときなんだかまた、体の奥の方で熱がくすぶるような感じがした。少し体に異変を感じると早々に食事を終えて千紘は立ち上がった。  「そんなに急がなくても、まだ、間に合うでしょ?」  と、稲葉先輩が言ったがトレーを持ち急いでいるのでと言って食堂を後にした。  千紘は自分の部屋に向かいながら燻る熱を鎮める為にひたすら部屋へと急いだ。  今日の朝のんだ抑制剤の効きが悪くなってきているのかそれともまさか神津先輩に反応しているのか……どちらにしろあまり良い状態ではないのでできるだけ神津先輩とは発情期には会わないようにしようと思った。とりあえず、今日の授業の用意をして教室へと向かった。  「おはよう」  千紘は周りのクラスメートに挨拶しながら自分の席に向かい1時間目の授業の用意をした。

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