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第53話
午前の授業が終わり今日は教室でお昼ご飯を食べようと購買にパンと飲み物を買いに行った。ここでは食堂で昼食をとるか購買でパンやサンドイッチなどの軽食を買って教室で食べることもできる。千紘は焼きそばパンと卵サンド、カフェオレを買って教室に戻った。そう言えばあれから午前中はちゃんと薬が効いているのか発情期の症状を感じることはなかった。ということはやはり神津先輩に反応しているのか?まさか、運命の番とか言わないよな……なんて一人、パンを食べながらとんでもないことを考えていた。
午後の授業も普通に受けることができて、やはりちゃんと薬が効いているようだ。でも、もし、神津に反応しているのなら会わないようにしていれば今までどおりなんの問題もなく過ごせるなと少し安心した。
千紘は教科書を鞄に詰めて寮へ帰ろうと立ち上がった。今日は隆也は部活なのか顔をださなかった。千紘は一人、寮への道を歩いていた。今日は天気もよく汗ばむ季節になってきた。夏もあと少しというこの頃、千紘も半袖のシャツを着ていた。寮の部屋に帰りまずは汗をかいたシャツを着替えようと引き出しを開けたところでドアをノックする音が聞こえた。千紘は着替えをベッドの上に置いてドアのほうへとむかった。
千紘がドアを開けるとそこには神津先輩が立っていた。
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