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第54話
「あ、神津先輩……何か用ですか?」
「中に入れてくれないか?ここでする話じゃないし。」
「え……、僕、まだ課題が残ってて……」
「すぐすむから!」
そう言われて千紘はとりあえず中に入ってもらった。神津先輩は中に入るとまっすぐベッドに向い腰掛けた。千紘は神津にあまり近づかないように少し離れて座った。
「神津先輩、話ってなんですか?」
「高梨、週末はどこに行ってたんだ?」
「僕がどこに行こうが関係ないですよね。」
「寮に帰ってこなかっただろ?外でウリでもしてたんじゃないかと心配だったんだ。」
「そんなことしてません。友達の所に泊まりました。」
なんだか神津先輩はこんなどうでもいい話をする為にここまできたのかなあ……それとも今日の夜、一緒に寝てくれる為に来てくれたのかな?考え出すと段々と体に熱が溜まってくる。やっぱり、そろそろ発情期だよなあ。なんて考えていると目の前に神津先輩がきていた。
「ただ、心配だったんだ。」
そう言いながら神津先輩は僕の体を引き寄せて抱きしめた。
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