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第64話
千紘はドアを開けて部屋に入ると隆也もそれについて入ってきた。千紘は隆也が何か話したいことがあってついてきたのだろうと思いお茶を冷蔵庫から出して隆也にも一本渡した。
「どうしたの?部屋までくるなんて珍しいよね。食堂では話せないこと?」
「噂を聞いたんだ。千紘の。」
「どんな噂?」
千紘はなんとなく予測はついていたけどおそらく神津先輩とのことだろう。別にどんな噂を流されても構わないがとりあえずは無事に卒業したいから変なことがばれてなければいいんだけど……
「高梨が神津先輩と付き合ってるとか……、実はオメガで毎週末町にでてウリをやってるとか……、なんか色々な噂があるみたいだ。」
隆也はそう言って心配そうに千紘の方をみてきた。
「大丈夫だよ。神津先輩とは付き合ってないしウリもしてない。」
千紘は隆也を真っすぐ見てそう言った。
「俺が高梨の一番そばにいると思っていたんだけどな……」
そう言いながら隆也は少し悲しそうに微笑んだ。
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