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第26話※

 神津は千紘を組み敷いてほってって桜色になっている頬や瞼、首筋と順に口づけをおとしていく。ねっとりと首筋から耳にかけて舐めあげながらシャツのボタンをはずして白く滑らかな肌をさらけ出す。赤いつぶをこね回し押しつぶす。体をさっと撫でられるだけでその場所から熱が広がる。熱と一緒にフェロモンが溢れ出し神津を絡めとる。気づいた時には千紘の中に何度も精を吐き出し千紘もまた、何度も達した体はもう出すものもなくなっていた。必死に噛みたい衝動を抑えながら神津はねっとりと首筋を舐めまわす。最後に突き上げた瞬間、千紘は目の前で何かがはじける感じがして意識を手放した。  神津は自身のものを抜き去ると千紘の体を濡れたタオルでさっと清めて布団をかけた。千紘から香るフェロモンはより一層濃くなって神津を引き寄せる。これが運命というものだろうか……ざっとシャワーで流した体を拭きながら千紘の傍に戻るとまだ、熱が冷めないのかほんのり赤い顔をしていた。神津はゆっくりと千紘の横に体をすべりこませて首筋に顔をうずめ目を閉じた。    再び神津が目を覚ましたのはもう、夕刻も近い時間だった。千紘の部屋には小さな冷蔵庫が置かれているだけで料理ができるコンロなどはない。買ってきたパンやプリン、ゼリー等を冷蔵庫にいれてあるのを思い出し千紘に何か食べさせるために起こそうかと思いベッドの枕元に立つと千紘の瞼がぴくりと動いた。  「高梨、何か食べれそうか?」  千紘は寝ぼけた頭で考えながらここはどこか、なぜ神津先輩がいるのかしばらく考えて思い出し羞恥のあまり頭を布団の中に潜りこませた。

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