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第29話

 千紘は部屋のドアを閉めるとベッドに腰かける神津の方へ向き直った。  「先輩、なんでそんなことになってるんですか?僕、何か先輩にしましたか?」  「俺が高梨のことが欲しい。だから他の誰とも関係をもってほしくない。寝るのは俺だけにしてほしい。」  「えー!なんで先輩とだけにしなきゃいけないんですか?僕はあとくされなくできるだけでいいんです。」  突拍子もないことをいきなり言われて若干パニックになっている千紘は神津が何を考えているのかさっぱりわからなかった。なんで、ちょっと寝ただけでそこまで縛られなきゃなんないんだか……  どうせ飽きたらすぐに捨てるのになんでそんなことしなきゃならないんだ。なんでそんな奴らの相手しなきゃいけないんだよ。オメガだからってすべてのオメガがアルファに縋って生きてるわけじゃないんだ。アルファなんて相手にしなければよかった。  「それとも専属契約を結んだセフレって感じですか?」      神津は千紘が言い出したことに溜息を吐きなんて言えばこいつにわからせることができるのか考えはじめた。

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